No.13『アザラール』

 骨から伸びた舌をグルングルンまわ、っ、ぁっ、たりそうなんですが。

「まあ、こんな風にある種の生物は舌を使うわけだ。ドラゴンの一部も、少なくとも俺が成ったことがある種類は出来るな」

「なんとも嫌そうな」

「ドラゴンってのは上が言ったことが正義のやべぇ集団だからなぁ。ドラゴンなんぞに成ったせいで勧誘されて殺されかけて、得るもん得てすぐ次の生き方を始めたね」

 骨がバラバラになって、トカゲの標本に。

「あれらの親玉はスカルドラゴンでな、一つの世界に体を押し込んで他のを住まわせてるんだが、なぁ。以前ブチ切れた時にゃ住んでた連中肉にしてふっつうのドラゴンになって体当たりしてたわ」

「ステップ踏まないでください」

「いや本当こんな感じで山みたいなバケモンにぶつかってな」

「踏むなってんだろアザラール」

 契約切りますかね、もう。毎回毎回こうですし。

「いやあのな」

「あ?」

「いやすんません調子乗りました」

「次喚ぶのは飛ばします」

 あと、次やったら契約切ります。死ね。

「勘弁してください、ひらに」

「まあ、死ねは言い過ぎでしたね。契約切った世界でのたれ死ねとは思いますが」

「あと少しで地元と思ったら浮かれちまったんです、許してください」

 本当、もう。

「あなたの世界に着いたら、そこで何があっても契約解除ですからね」

 その間ぐらいは許しましょうか。



アザラール山 (プルッチカワールドガイドより転載)


ミンガ大陸の北東に聳え立つ山をアザラールといい、そこに住む生物をアザラール族と呼びます。

アザラール族は固有の名前を持たず、死なず、減りも増えもしません。

彼らは自らの望むままに、多様な生物の形に変化することができるため、この世界の生物が滅びないよう調整をしたりします。

もし骨の姿をしたアザラールに出会ったときには、あなたがいらした世界の話をしてあげてください。きっと骨のドラゴンになって、空の旅に誘っ

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