雪の街までもうすぐ(リハビリ中で短くてごめんなさい)

 なんだか、随分と間が空いた気がする。

 遠い道のりだった気がする。

「どうしました? ノルン様?」

「ううん。なんでもないよ。ブラン」

 この会話も、久々な気がするのはなんでだろう。

 わたしたちはレッドさんとシアンさんが寄っていた街に行こうという話だ。

 なんか申し訳なく思ってきた。

 前世の俺が姪にお年玉あげる、と言って渡さなかったくらいの罪悪感だ。

 そんなわたしが、どっかの巨大モンスターから護るための大きな城壁に近づいているような気がするんですが。

『おお、ここよ。ここ』

「えッ? 嘘、ですよね?」

 シアンさんの声にわたしは戸惑った。

『嘘じゃないわよ。ねえ?』

 首だけのシアンさんは、瞳をレッドさんに向けて確認した。

「ああ、間違いない。こんな大きな外壁がある街なんて、ここくらいしかねぇからな」

 マジですか。

 こんな、巨人から護るためのような外壁が街といえるんですか?

「ノルン様、式神もここだと申しております」

「もう、信じるしかないのね……」

 わたしはその大きな外壁の街門まで辿り着いた。

 しかし、問題が発生した。

「まずいな……」

 レッドさんが訝しげになにかを見つけた。

「どうしました?」

『軍兵が検問してるわ。前に来た時はいなかったのに……』

 シアンさんはレッドさんに布に包まれながら告げてくれた。

 まだ視認できる範囲で遠くから街門を見つめると、剣と槍を携帯している兵たちが入る人たちに向けて、検問しているみたいだ。

 こりゃ、一悶着起こりそうだなぁ……。

「どうします? ノルン様?」

「どうしよう……」

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美少女ガンナーに転生して、魔物と戯れます。 @WaTtle

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