偉い人だよ、全員招集ッ!
翌日、ブランを連れて街まで行ってみた。
しかし、いや、やはりと言うべきか。
「ノルンさん。その子をお通しできません」
「どうしてですッ!? ワタシになんの不備が――ッ!」
「君、人間じゃないでしょ?」
ブランが街に入る許可が取れなかった。
これにはわたしもお手上げです。
「そ、そんなことないですよー」
「やっぱりそうなると思ったわ……」
誤魔化すブランの態度を、ペファーも他人事のように眺めていた。
「ペファーさんッ! あなたもなにか言ってくださいッ!」
「どう考えたって無理あるわよ……。その尻尾は」
ぐうの音も出ない正論だった。というか、
「そもそもペファーに弁護してもらうのも無理な話だよ?」
ペファーも街に入れないし。
ワン。
「ノルン様にダイゴロウさんまでッ! あんまりですッ!」
おそらく「無理だよ」とか言っているんだと思う。
そう言っている間に検問所の行列が長くなっていく。
「どうした……ってノルン?」
「キッジ、こんにちは」
行列を見に駆け付けたであろうキッジが検問所に顔を出してきた。
「どうして彼女を止めているんだ?」
「いえ、彼女じゃなく、あの白髪の、ほら尻尾の見える少女が通ろうとしてて……」
大方間違いのない説明だった。
「なるほど……。君、名前は?」
ブランは警戒する素振りを見せず、挨拶をした。
「ブラン=シオ、と申します」
「ブラン、か。ノルンの連れている人ならちょうどよかった」
「自警団長?」
ん? どういうことかな?
どんな噂が広まっているの?
「君たちもノルンについては追々噂を聞いていただろう?」
「それは、まあ……」
「彼女のことについては間違いない、と」
いや、あの、ちょっと?
「わたしのこと、どう広まってるの?」
「ノルン、ブラン、ダイゴロウ、パプリカ――」
「ペファー、よ」
ペファーが訂正を要求した。
「失礼、ペファー。君たち四人を領主様の元へ連れていきたいのだが、いいかな?」
意外な言葉が飛んできた。
まさか、みんな入れるなんて。
「わたしはかまわないけど、みんなは?」
「ワタシはノルン様についていきます」
ワン。
「「自分も邪魔でなければ」だって、あたしもマスターの傍にいる方が安全そうだし」
三人とも応じる気満々だ。
しかし、わたしを呼び出すなんて誰だろ?
「自警団長、いいのですか?」
「領主様がお呼びになっているのだ。無下にはできないだろ?」
「それじゃ、四人揃ってお邪魔するね」
領主様かぁ。どんな人なんだろ。失礼のないようにしないと……。
なんというか、ダイゴロウに乗って街の中に入るなんて新鮮だ。
いや、まだこの街に来て三回目だから目新しいことしかないんだけども。
それより気になるのが、人だかりをキッジを先頭にモーゼの滝割りのように進んでいく。
いや、そんなことより気になるのは、
「すごい人ですね……。視線が多いです」
「そりゃ、あたしに、犬尻尾、狼なんて連れてる人を見かけたらねえ?」
「犬尻尾って、ワタシのことですかッ!?」
「だって、犬尻尾で検問通れなかったわけだし」
二人ともケンカが始まっちゃったよ。
暴力沙汰にならないうちに注意した。
「こら、二人とも、ケンカしないの」
二人を睨みつけていくと、次第になりを潜めた。
「ごめんなさい」「ごめん」
ワフ。
「「笑うことはないでしょッ!?」」
おーい、ダイゴロウ。なにケンカの種撒いてくれてんのぉ?
「もうそろそろ領主様の――」
「ご苦労だったな。キッジ」
「グラド様ッ!?」
不意に筋肉質の中年のおじさんが現れた。
その男は、どこかの権力者のようなスーツを着ていた。
それを一見したキッジがたじろぎ、すぐに膝まづいた。
「誰?」
「ここの領主様だ」
それを聞いて、わたしも慌てて膝まづいた。
「そんな人がどうして道中にッ!?」
「いやいや、すまない。君がノルン君だね。顔を上げたまえ」
わたしは領主様の言われるがままに顔を上げた。
「は、はい。ノルン=ブルットです」
「それでそこの三人が、君が連れている人外の者だね?」
「そうと言えば、そうですが、できれば言い方を……」
恐れ多くも、わたしは意見した。
「不快に思ったのならすまない。どう呼べばいいのか悩んだつもりだが」
領主様はすんなり受け入れてくれた。
悪い人ではなさそうだ。
こういうのは、大体権力を盾にするタイプだと思ったのだが。
「いいんですか? こんな民衆の中で一人、外に出られたら暗殺されませんか?」
「なに、心配はいらんよ――」
領主様の元へ白く光る銀の刃が領主様へと向かっている。
「「「「危ないッ!」」」」
わたしたちは一斉に叫んだ。
「ふんッ!」
しかし、領主様の拳一突きで凶器のナイフが折れ、暗殺者を返り討ちにした。
「ば、馬鹿な……ッ!?」
「私はこう見えても心身鍛えているのだよ。この程度の暗殺じゃ殺されないな」
ナイフを折った手には血の一滴も流れていない。
それどころか、切り傷すら見られない。
「すごい……ッ!」
「隙だらけだったのに、あんな一瞬でッ!」
ペファーとブランが素直に感心する。
「却って隙を見せた方がいいのさ。犬のお嬢ちゃん」
「は、はぁ……」
なんか、わかるようで、実践したくないような、とにかくわかるのは。
この領主、只者じゃないッ!
「キッジ。君は暗殺者の捕縛を頼んだ。私は彼女たちを連れて屋敷へ戻るよ」
「わかりましたッ!」
キッジは倒れた暗殺者を、後から来た自警団と共に護送していく。
「じゃ、ここでお別れになるね」
「後でまた合流するさ」
キッジとそう挨拶を交わすと、キッジは自警団本部へと向かっていった。
「それでは私たちも行こうか、ノルン君」
「わかりました、領主様」
「領主様と堅苦しい呼び名はいい。グラトニー、と呼んでくれ」
「グラトニー、さん? それが名前ですか?」
「まあな。とにかく入りたまえ」
「グラトニーさん、お、お邪魔します」
わたしがグラトニーさんの名前を呼ぶと、見ていた民衆がわたしたちのことについて口々に話している。
「すげえ。グラド様が名前呼びを許したぞ」
「あの嬢ちゃん、やっぱり英雄なんだ」
「そりゃ、そうだろ。狼にハーピィ、人狼まで受け入れている女だぜ?」
「みんなおとなしく従っているし、すごいわ」
「これなら、他の領主様が攻めて来ることなんて」
と、好意的な目で見られるようになったのに、ブランは、
「……」
ご立腹です。なんとなく理由はわかるよ。
「そう怒らないの。悪い目で見られてないじゃない」
「そういう問題ではありません。ワタシは神獣ですよッ!? なのに、人狼と間違われるなんてッ! あんまりですッ!」
ブランが泣きそうな声で訴えてくる。
しかし、わかったことがある。
この街の名前はグラド街、ということ。別名、グラド領と呼ばれている。
わたしたちは大きな客間へ案内された。
とても豪華だ。わたしの住んでいる家も豊かな方だが、やっぱり領主様の家には敵わない。
「あのー、お邪魔します……ブランとペファーはともかく、ダイゴロウも入れてよろしかったんでしょうか?」
ブランは尻尾以外人間だから問題ないとして、ペファーは羽が落ちても大きいから片付けやすい。
ただし、ダイゴロウは一日中地面と接しているから足が汚れているのだ。足跡が綺麗な床にきっちりついている。
「かまわん、入ってもらってかまわんよ」
「じゃ、お邪魔するにあたって、ダイゴロウの足を――」
タオルで拭こうとするのを、グラトニーさんが止めた。
「かまわんよ。それぐらいの汚れなら、犬を入れたのと同じだ」
「そ、そうですか。じゃ、大人しくしててね」
ワン。
そう吠えると、広い部屋の隅に行ってジッとしている。
「ありがとう。それでは各々座ってくれ」
ブランは礼儀正しく「失礼します」と言って、ソファーに座る。
ペファーは礼儀知らずで、黙ってソファーに腰かけた。
「私はグラトニー=グラド。ここの領主をしている。侯爵をしているが、気にしないでくれ」
「いえ、気にしますよッ!?」
確か、公・侯・伯・子・男の順で偉いんだよね?
ってことは、やっぱり偉い人だったんだぁ~。
「では、侯爵様とお呼びした方が――」
「気にするな。君に畏まれることはしていない」
そう言われてでもですね……。
「なに、古くからの友人として接してくれればいいさッ! がっはっはっは……ッ!」
古くからもなにも、まだ転生して一ヶ月も経ってませんよッ!?
――とは、言えないよねぇ……。
「ブランです。名乗ってもらった上で恐縮ですが、お尋ねしてもよろしいでしょうか?」
ブランはグラトニーさんを警戒しながら訊いた。
「いいぞ。なんでも訊いてみてくれ」
「ノルン様をこの場までお呼びした理由をお聞かせください」
「率直だな。だが、正しい判断だな」
ブランの判断を評価すると、わたしの向かいのソファーにグラトニーさんが座った。
わたしも真っ直ぐにグラトニーさんの目を見た。
その目には、これから巻き込むであろう事態についての重さが載っているようだった。
「君に頼みがあるんだ」
「わたしに、ですか?」
ブランとペファーがわたしの顔を覗き込んだ。
「ノルン様、慎重に考えてくださいね」
「足元をすくわれるんじゃないわよ」
二人の忠告を受け取った。その上で、わたしは二人に告げる。
「そんな人なら、あなたたちを人質にしてたよ。だから大丈夫」
初めて会った時から信頼に足る人物だと心のどこかで確信していた。
「随分、楽観的なお嬢さんだ。しかし、それでいいのかい?」
「はい。わたしの直感が大丈夫だって言ってますので」
某勇者パーティもどきとキッジと比較した。
キッジは裏表のない人だと思ってたし、某パーティの連中は初めて会った人間であるが、今思えば胡散臭さがしたような気がする。
まあ、後から気づいたことだけどね。
このグラトニーさんからも、誠実な方だというのは伝わってくる。
「フハハハハハッ! 面白いお嬢さんだッ! これなら包み隠さず言えるなッ!」
えッ? 包み隠さずって?
「事ってそんなに重要なんですか?」
民衆の中には他の領から攻められる、なんて物騒な話も出たもんだからね。
事情を訊こう。
「わたしたち、街から疎開して生きているので全容が把握していません」
「そうか。キッジの報告通りだな。なら、端的に話すがいいかな?」
「配慮していただきありがとうございます。それなら、ここにいるみんなにも伝わります」
わたしが頭を下げ終わってから一分、いや、三十秒もかかってないかな。
グラトニーさんの豪快な表情がなりを潜め、重々しい言葉の口を開けた時間は。
「まず、ここの王が死んだ」
重ッ!
一言目からこれッ!?
重大どころか、国の存亡の危機じゃんッ!
「えッ? 世継ぎとかはいないのですか?」
わたしは冷静にグラトニーさんに訊いた。
王位って世襲するもんじゃないの?
「それなら、入れた方が良かろう。入ってくれ」
綺麗な銀髪の美少女が入ってきた。
「失礼します。グラトニー師匠」
貴族の令嬢、というより、貴族に仕える女騎士で、長い銀髪を左に束ねている。身なりも、華やかさよりも、動きやすさを重視しているきらいが見られる。
「このお方は?」
「こいつは私の弟子であり、この国の王となられるはずだった。マルナ=イグナイト姫だ」
次期国王様来ちゃったあぁぁぁぁぁぁッ!
爵位が下のお嬢様かと思ったら大間違いじゃんッ!
「ひ、ひ、姫様ッ!?」
冷静さを欠いていたわたしをブランがそっと背中を撫でてくれた。
「あなたが彼の噂のノルン=ブルットか?」
「ハ、ハイッ! わたしがノルンッ! デスッ!」
つい片言になってしまう。なんせお姫様だよ?
「なるほどな。魔物も連れている、というのも本当のようだな」
「これでも賢い方を連れてきました」
魔物たちを、いや、神獣であるブランも含めて、一覧なさった。
その顔は、ハッキリとした考えがわたしたちに知らしめた。
「……はっきり言わせてもらうが、不快だ」
「えッ?」
「マルナッ! 口の利き方に気をつけろッ!」
グラトニーさんが叱った。
「グラトニー師匠。わたしの父は魔物の大群に押され、死にました。ですから――ッ!」
それで、魔物を忌み嫌っている、というのはダイゴロウにまで伝わっているのだろう。
先ほどからお姫様に対して警戒をしている。
「彼女に協力を要請するのは反対、か。そんな私情で決めていいものでないだろ?」
「しかしッ!」
ブランが挙手をし、グラトニーさんの視線を注目させた。
「侯爵様、発言を許可してよろしいでしょうか?」
「なにか心当たりがあるのかね? ブラン君」
ブランは立ち上がって、「申し上げます」と口にしてから話し始めた。
「これは亡き母と見聞きした話ではありますが、魔族の動向を窺ったことがあります」
「なにッ!?」
詰問しようとする姫様をグラトニーが手で制した。
「続けてくれたまえ。一片でも情報が欲しいのだ」
「ワタシたちを信頼なさる、という解釈で間違いないでしょうか?」
「私はそう約束しよう。神獣である君の話をお聞きしたい」
「……」
姫様は少し戸惑ったような目でブランを見つめた。
ブランは、はぁ、と溜め息を吐き、やれやれと言わんばかりの態度で、話を続けた。
「姫様の同意は得られませんでしたが、グラトニー様が同意したことにより、お話しさせていただきます」
「ありがとう。そして無礼な弟子をお許しいただきたい」
「ブランたち、神獣って魔族のこと知っていたんだね」
「蛇の道は蛇ってやつでしょ? 神獣なんて信仰心がなければ獣か魔物かに見間違われるのよ」
そう言うと、ブランは少し不快な顔をした。
この後、ペファーを叱ると思いきや、冷静な声で、
「ノルン様、ペファーさんの言うことはあながち間違っていません」
悔しそうに肯定していった。
「そうなの?」
「神獣は厄災の際に信仰心を糧に力を発揮する生物です。災害や魔族との戦いが一番多いと思います」
「そんなことはッ! 我がイグナイト王家は代々神獣を祀っていたのだぞッ! なのにッ!」
「そりゃ、簡単な話じゃねぇか? 人々が祀らなかったからだろ?」
姫様の怒号の途中で、突然黒髪長髪の男が客間に入り、話の間に入った。
男の割に、綺麗な黒髪をしており、声を発しなかったら、女性と見間違えただろう。
彼が姫様の護衛の騎士なのだろうか。
「ウリ、お前も来たのか」
グラトニーさんの挨拶に、「よッ、師匠」と軽い返事をした。
いやいや、侯爵様だよッ!? そんな軽い挨拶でいいのッ!?
「ま、王国を見回っていた騎士団やってたらな、神獣そのものがデマだって流布していた連中を多く見ちまうんだよ」
ってことは、それで信仰心が無くなっちゃうってことか。
「なるほど、それなら神獣の加護が弱まって、いえ、無いに等しいでしょうね」
ブランの解説に、「なるほどな」と黒髪の騎士が納得する。
「ま、それで納得できりゃ苦労しないがな」
黒髪の騎士はそれだけではない、と言いたげな顔をしていた。
「そんな……神獣たちはわたしたちを……」
姫様が傷心している中、わたしは改めて黒髪の騎士に注目した。
「あの、あなたは……?」
わたしは突然出てきた騎士の男に名を訊いた。
「これはまた失礼しました。俺はウリ=ヴェール。この姫様とここまで逃げてきた騎士だよ。よろしくな」
「よ、よろしく」
この人も悪い人ではない。真っ直ぐな人間、といったイメージだろうか。
「ま、この姫様が無礼なことを言っちまったな。護衛騎士の俺の頭で許しちゃくれないか?」
ウリさんが頭を下げて、姫様の代わりに無礼を詫びた。
「えッ? いいよッ!? わたしは気にしてないからッ!」
「いや、ケジメはつけるべきだと思う。だから、許してくれッ!」
だ、ダメだ……。この人、騎士というより、カタギのようなケジメの取り方をしようとしてるッ!
状況を見かねてか、ブランが咳払いする。
「あの、ノルン様にウリさん、話を続けてもいいでしょうか?」
そういや、魔族がどうのこうのについて聞いてなかった。
「あ、うん。ごめんね」
「こっちが悪いんだ。許してくれ、神獣様」
わたしとウリの謝罪を見て、もう一度咳払いして話を続けた。
「ワタシと母が魔族の気配がする都を眺めていた時のことです。その魔族の周りには多くの人間がついていました」
「それって、街の外から見たってことだよね? だったら、他にもいたんじゃないの?」
「はい、ノルン様の明察通りです。ワタシが見た街の端だけでも、十数人の魔族を視認しました。街の端であれだけいましたから……」
「ふむ。その街は魔族と積極的に取り入ったということか」
グラトニーさんが綺麗にまとめる。
つまり、その街全体がグルになっていると考えていい。
「どこかわからないのか、神獣様?」
「いえ、魔族と戦える力を持っていなかったので、深入りせずに立ち去りました。人の都の名前を知る術もありませんから」
「なるほど、な」
無理もない。
ブランはわたしの血を貰ってから人の姿になれるようになったのだ。
子犬のブランに人間の街を知る術はない。
「あの魔物の大群は、魔族と人間が関わっているってことだな?」
「恐らくは。魔族と関わった人間が手引きしなければまず魔物が攻め入ったなどということは起きませんから」
それを聞いて女性に似たウリの顔が険しくなった。
「なるほど、ね。だとすれば、奴か……」
「心当たりはあるのか? ウリ」
「ああ、そいつは姫様も師匠も知っている奴だよ。最も、確証はねぇけどな」
心当たりがあるようだ。
ウリの目にはその者が主犯だと確信があるように見えた。
「ウリ。お前のことだ。すでに確信があるのだろう。話してくれないか?」
「そいつは――」
ワンワンッ!
ウリが言おうとしたその時、ダイゴロウがウリに対して吠えだした。
いや、違うッ! 吠えているのは、ウリの背後の影から出てくる者に対してだッ!
「――教えてくれてあんがとよッ! ワンコッ!」
「アラケルバレルッ!」
ウリが反転し、抜剣して影を斬り裂く。
わたしも一呼吸遅れて、銃撃をかませる。
しかし、手応えがない。ウリも同じ反応だった。
「ウリッ!? 大丈夫かッ!?」
「下がってろ、マルナッ! 狙いはお前だッ!」
心配する姫様をウリが押し返す。
しばらくして、その姿を確認することができた。
「ちッ! 流石に、口封じさせてくれないかッ!」
紅髪のゴスロリドレスの少女が影から身体を半身出しながら、舌打ちした。
わたしは銃口を構えて問い質した。
「あなた、何者ッ!?」
「我はエリザベート=ヴラドッ! 誇り高き吸血鬼だッ!」
吸血鬼……ッ! それがどうしてッ!? まさか、彼女の目的はッ!
「ご主人の命でお前を連れていくッ! マルナ=イグナイトッ!」
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