第13話 お婆ちゃんが大変だ!!

お婆ちゃんが大変だ!!




あたしは、茨城の家に急いでいた。

おじいちゃんから緊急の呼び出しがかかった。おばあちゃんの体調が最近芳しくない。

一昨日入院してしまった。

そのことを聞いてとりあえずあたしは茨城に向かう、おじいちゃんいわく今すぐどうということはないとは言っているが、とにかく行かなければ。

あたしは家には行かず、そのまま病院へ向かった。

おばあちゃんは、四人部屋の一番奥の窓際で上体を起こして窓の外を見ていた。

「おばあちゃん。大丈夫なの」と言いながらあたしは、おばあちゃんの横の丸椅子に座った。

「ごめんね。心配かけて。本当に大したことないのよ」

「本当に」

「ええ、それより学校とかは」

「全然大丈夫だよ。これでも女子大生だからね」

「なんだか意味がわからないね。何故、女子大生だと大丈夫なの」

「話すと長くなるから」その言い方が可笑しかったのか、おばあちゃんは楽しげに微笑んだ。


「ママ、呼ぶ」とあたしはおじいちゃんに聞いた。

おばあちゃんの病室の近くの談話室のようなところだった。

おじいちゃん考え込んだ、娘に迷惑をかけたくないということらしい。

まあ、危篤だとか、そいうことならだけど、夏の暑さの疲れが、この秋口に出たというのが本当のところらしい、とはいえ

夏の疲れで入院というのは、体力的に相当に弱っているということなので、大したことなくて、よかったとは思えない。

ママを呼ばないまでも、連絡だけはしておいた方がいいといことになった。

まあでもママは来ないだろうなとは思った。

夏に来たばかりで、そう頻繁には帰ってこられない、仕事もあるし、お金だってかかる。

案の定ママは帰ってこないことになった。

という訳であたしがしばらく茨城にいることになった。

学校はだいぶ遠くなったけど、通えないほどではない。

学校に行く時間が早くなり、結構な早起きさんになった。

でもおじいちゃんははさらに早起きで、あたしが起きる頃は、庭の掃除が終わっている。二人で朝ごはんを食べる、ほぼおじいちゃんが作る。

おじいちゃんはあたしと暮らすことが嬉しくて仕方ないようで、いろんな話をしてくれる、こんなにあたしがいることを喜んでくれるなら、府中ではなくここから学校に通ってもよかったかなとも思う。

そういえば公君は、は実家から通っているから、入学以来、この時間をかけて通学していたんだと思うと、あたしはおもわず公君の家の方に向かって、ご苦労様ですと頭を下げた。

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