2 1歳って、どんなもん?
さて、おっぱい飲んでー、ねんねしてー。
で、1歳になりました!たぶん、1歳やと思うで。
隣にいたもう一人の赤ちゃんは、どうやら双子の兄ちゃんらしい。
んでもって、今は別の部屋にいるのよ。
どうやら私の生まれた家はお金持ちらしく、乳離れと共に自室が与えられた模様。
すげぇー。1歳で自室があるよ!まあ、持ってる子は持ってるだろうから、「いや、珍しくなくね?」みたいに思うだろうけどさー。
それでね、これがまたデカイ家なんだわ。
家っていうか、豪邸?「ここ、私ん
ちなみに、双子の兄には夕食の時間にしか会わなくなった。
とんでもなく静かな子だったわ。私が騒がしいだけなのかな?異世界の赤ちゃんって、皆ああなのかねぇ?
私は感情の赴くままよ。前世では友達という名の何かが語る自慢話を笑顔を貼り付けて称賛しながら聞き、職場ではふんぞり返っているだけで仕事しないっていうか出来ていないことに気付いてない上司の機嫌を取って、そいつの分の仕事までやらなきゃならず、大変だった。
しかも、彼氏もいないしさ。結婚なんて出来るか分からないし、このご時世、旦那の稼ぎの方が少ない可能性もあるわけよ。そりゃあ金持ちイケメンと結婚できればいいけど、そんな夢みたいな話が私に来るとは思えなかったしっていうか、異世界転生の方が確率少ないよね。ウケる。
ということがあって欲しいものも買わずに貯金して、「老後の心配するくらいなら結婚しなさいよ」とか周りに言われて。
いや、子供とか出来たら逆に出費増えるよね?一緒に人生を歩いて行きたい人が出来れば結婚しようとは思うけど、老後のために結婚するって、何か違うような気がしてさ。だって、2人に1人が離婚してるって、老後の話どこ行った?て感じじゃない。
まあ、つまり何が言いたいかというと、「我慢なんぞ、するか!!」ていう、ね。
だって、お金持ちの家よ?今のところ欲しいものはないけど、それって不足がないという意味での「ほしいものがない」なのよ。おそらく何でもっていうわけにはいかないだろうけど、大概のものは買ってもらえると思う。だから何の不満もないんだけど、疑問はあるのよね。
何の疑問かって、オトンとオカンどこよ?て。
私が見たことあるのは、メイドさん、
何故に乳母だと気付いたかというと、おっぱいくれた人が3人いたからです。
ちなみに、おっぱいをくれるときに悲しげなというか寂しげな顔をするので、もしかしたら赤ちゃんを亡くしたけれど、お乳が止まらないのよっていう背景を想像したんだけど、そんなことなかったよ。
言葉が分かるようになって会話を理解できるようになったところで「アンドリュー様は、うちの子と違ってとても大人しいわ。アンジェリカ様は、うちの子と同じようにとてもお元気ねぇ〜」ということだった。
双子の兄がアンドリュー、私の名前がアンジェリカだそうな。
いやー、可愛い名前をありがとう。たぶん、可愛い名前なんだろう。キラキラネームではないと思いたい。
どうやら異世界の赤ちゃんが大人しいわけではなく、双子の兄がそんな赤ちゃんだっただけのようです。
そんな大人しい双子の兄は、普段何をしているかというと、どうやら絵本に
双子の兄アンドリューが本をせがむならと、私にも読み聞かせが始まったけど、どう頑張っても途中で寝る。ええ気持ちで寝る。子守唄やな。
ということで、私には本はそこそこで、お庭の散歩が多い。じょーずにあんよ、みたいな掛け声を聞きながら、うんしょうんしょと歩いては芝生の上にぽてりと転ぶのが日常です。
「たーにゃ!ちゅまーあ!(ターナ!つかまえた!)」
「はい、アンジェリカ様。つかまっちゃいましたねぇ」
ターナは私と一緒にいることが多いメイドの一人で、何喋ってるか不明な赤ちゃん語をほぼ理解してくれているベテランさんです。
「アンジェリカ様は順調そうですね」
「あら、ミザリー。そちらは、どう?」
「どうもこうも、つかまり立ちを始めたのは早かったのですが、未だに歩けたことはないんです」
「そう。でも双子とはいえ成長に違いもあるでしょうし、私の子も歩けるようになったのは遅かったわよ?不安に思うなら、ゼクスに相談してみたらどうかしら?」
「そうですね。そうしてみます」
ミザリーは、双子の兄アンドリューの世話をしているメイドさんで、ゼクスは手袋をしている男性、つまり執事さんかな?ていうか、執事以外の選択肢を知らない。侍従とフットマンと従者とって前世の友達らしき人が早口でまくし立てていたけど覚えちゃいない。
ていうか、この世界が前世と同じ成り立ちをしているわけでもないだろうから、当てはめるのも難しいかねぇ?
バトラーが執事ってのを覚えてたのは、バトラーは酒瓶管理のやつ?と口にして思いっきり友達らしき人に罵倒されたからだよ。気がふれたみたいでちょっと怖かったし、何故にそこまでキレるのか理解できなかったけどさ。
さてと、歩くのも疲れたし、芝生でコロコロしましょうか。
動物の糞なんて全く落ちてない綺麗な芝生でございます。小石も小枝も落ちてない安全な芝生なので、安心してコロコロできます。
1歳の私には、これだけでも十分楽しいっ!どれだけ騒ごうが何も言われないしね。
「きゃうああっ!あー!」
「まあまあ、アンジェリカ様ご機嫌でございますねぇ」
「だぁうー!だぁー!」
今日も今日とて私は全力で遊んで寝て、離乳食を食べるのが仕事です。
なんて、イージーモードな人生っ!すばらしぃー!
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