幕間「開発スタッフたちのFAOカンファレンス」
スタッフA「なあ、なんか面白い事あった?」
スタッフB「なんですか、面白い事って?」
スタッフC「FAO内での話ってことよ」
スタッフD(以下スタッフ省略)「そういやいつの間にか俺らの間でもFAOって略すようになってるな、最初の頃はフリーダムアドベンチャー・オンラインって言ってたのに」
C「彼の影響ね」
A「彼の影響だな」
B「彼はいい意味でも悪い意味でも話題に事欠かない人物ですからね」
D「ところで、彼が引き起こしたあの件ってどうなってるの?」
C[ゴブリンの件よね? あれは私たちでも想定してなかったことよね?]
A「まさか、NPCたちがプレイヤーを召集するなんて思ってなかったからな」
B「しかもその呼び出した人物が今話題の彼だなんて、どういった星のもとに生まれればこうも面倒事に巻き込まれるんですかね?」
E「おい、今ニコルソンっていうプレイヤーが通算デスペナ300を超えたぞ!」
ABCD「「「「Eは黙ってろ!! ていうかニコルソンって誰だ?」」」」
E「ニコルソンを知らないとは、にわか共め……」
B「Eは放置しておくとして、この先どうなると思います?」
C「当然プレイヤー対ゴブリン軍の戦いでしょー、どっちが勝つと思う?」
A「プレイヤーに一票」
B「僕も」
D「俺はゴブリンだな」
C「あら、Dは彼が負けるっていうのかしら……」
D「いくらお前が彼に惚れてるからって俺に当たるなよ」
C「ば、馬鹿! そ、そんなんじゃないわよ!!」
A「Bどう思う?」
B「あれは間違いなくほの字ですな、青春ですな」
E「お前ら見てみろよ、ニコルソンが――」
ABCD「「「「だからEは黙ってろって!!」」」」
E「ぐぬぬぬ、ニコルソンの良さが理解できぬ愚か者共め……」
A「問題は、指定された期日までにどれだけ準備ができるかという事だな」
B「ディアバルド軍の編成、ギルドへの緊急クエストの発注、プレイヤーの個人ごとのレベルアップに人員の確保やることは山積みですね」
D「特に今は冒険者たちの武闘会とイベントが被ってるからな、他のプレイヤーたちはそっちで手一杯だろうし」
C「でも彼なら問題なくできるでしょう? なんてたって冒険者たちの武闘会でキメイラ倒してるし」
D「まさかさすがの俺らもあれに勝つとは思わなかったよな?」
B「普通に考えたら勝つこと自体が奇跡ですからね」
A「マンティコアとメドゥーサの能力両方持ってたって話だろ? 片方の能力でも厄介だってのに、なんで勝てたんだ?」
C「みんなここで見てたじゃない、あれは気合と根性の為せる技だわ」
ABD(((いや、気合と根性で何とかできるレベルを超えてるんですけど……)))
C「うん? みんなどうかした?」
A「あーコホン、そう言えばハヤトとレイラがロックバードとマンティコアを倒したらしいな」
B「デモンストレーションの時は彼しか倒せなかったですからね、それで肝を嘗める思いでレベル上げをやってたそうですよ」
D「流石に最前線攻略組として、今まで前線で戦ってきているだけはあるってところか」
C「個人的には同じ女性としてレイラには頑張ってもらいたいわね」
A「俺としては攻略の進捗状況よりも生産職のプレイヤーにもっと頑張ってもらいたいところだな」
B「でも初期の頃と比べてかなり増えてきたと思いますが?」
D「そりゃ最初よりは増えてっけど、それでも全体的には三割ないくらいだぜ?」
C「リアルで彼の手料理が食べたい……」
ABD(((リアクションに困る発言をしないでもらいたい……)))
E「お前ら、ニコルソンが――」
C「Eは黙ってなさい!!」
ABD(((Eよ今回はナイスタイミングだったぞ!!)))
E「むぅ……最後まで言わせてくれたっていいじゃないか……」
A「まあとにかくだ、今後彼がどう行動するかによってゴブリンとの戦いの行く末が決まってくるだろうね」
B「でも彼自身もさらに強くならないと通用しないでしょうね」
C「何言ってんのよ! 今の彼でも十分戦えるわ!!」
D「そこも含めての見物ってやつじゃないか?」
B「そう言えば、彼って女の子にモテてるみたいですけど、特定の女の子と仲良くなってないですよね? これ如何に?」
C「ガタッ」
A「そこのところは詳しい理由は分からないけど、見てる限りは恋愛に興味がないっぽいね」
D「恋愛よりも純粋にゲームを楽しんでるって感じがするけど?」
C「はぁー、そういうストイックな所もまた素敵なのよね……」
ABD(((完全にやられてしまっているな……)))
C「……はっ、か、勘違いしないよね!? べ、別に彼の事が好きとかそういうんじゃないんだからね!!」
ABD(((ツンデレかよ……ていうか三十代のツンデレに需要はないと思うのだが……)))
C「あんたたち、何か失礼なこと考えてるでしょ……」
D「そ、そんなことよりも、いい加減こうして駄弁ってないで仕事した方がいいんじゃないか?」
A「そ、そうだな、休憩はこれくらいにしてそろそろ再開しよう」
B「それが無難ですね……」
C「なんだかはぐらかしてるみたいだけど、まあいいわそれじゃあ――」
E「ちょ、ちょっとお前ら、6番のモニター見てみろ!」
ABCD「「「「ニコルソンはもういいから!!」」」」
E「ちげーよ!! お前らが話してた例の彼だが、実装予定のダンジョンの入り口を見つけてしまったみたいなんだが……」
ABCD「「「「えっ!?」」」」
こうして彼らのカンファレンスはまだまだ続くのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――
【作者のあとがき】
お疲れ様です。こばやん2号です。
さてさて、第十一章いかがだったでしょうか?
今回の章に関してはほぼ毎日投稿をしてた影響もあって、すぐに書き終わったイメージがあります。
実はこのダンジョンのお話はもっと早い段階で登場させる予定だったのですが、書いている途中で急遽別の話に切り替えたため、今回十一章での披露となってしまいました。
さらに本来の内容ではアカネやカエデたちと臨時のパーティーを組んでいた時に、アカネがドジを踏んだ結果たまたまダンジョンを見つけてしまうという流れも全く別物といっていいものでした。
最終的には今回の形に落ち着きましたが、アカネたちとパーティーを組んでいた時にあのミノタウロスが現れていたらどうなっていたのでしょうかね?
最近ではちょくちょくと感想を貰えるようになり、有難いことだと思っております。
個人的にはほったらかしになっている誤字脱字の修正を早くやってしまいたいですが、もし修正ができなかった時のために執筆が忙しくてできないという言い訳を先に言っておきます。
さて次回第十二章は転移魔法を覚えたジューゴが、いよいよ本格的にプレイヤーに呼びかけるという内容になるかと思います。
その行動により新たな出会いと今までアプローチを掛けていた女の子たちがライバルの女の子と邂逅し、ジューゴを巡って女のバトルが繰り広げられるとかられないとか……。
その点についてはこの後の展開次第ですので、楽しみにしてお待ちいただければなと思います。
それでは第十二章の幕間後にまたお会いしましょう! ではでは。
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