第60話 飲んで叫んで揺らしたあの日
こんにちは! 久々の更新です、という言葉がテンプレになってきて、少々焦っております。笑
サッカーW杯、すごい盛り上がりですよね!
ドイツやスペインといった強豪国と同じグループと分かった時から(選手には失礼だけど)、「日本終わったわ」ってムードがすごかったと思うんですけど、始まってみたら鮮やかに下馬評を覆し、ドイツに逆転勝利。
私はドーハの悲劇を知らない世代ですが、ドーハの歓喜(奇跡とも言ってますね)をリアルタイムで見られて、とても嬉しく思っています。
このゾクゾクする感じ、前にどこかで経験したなって思ったんですけど、すぐに思い出しました。
3年前の、ラグビーW杯です。
私その時、すごくラッキーなことに、スコットランド戦を生で見ることができたんです!
なので今回は、その時のことを書き起こしたいと思います。ここでプチ自慢させて下さい。笑
3年前の10月13日。
日本はロシア、アイルランド、サモアに立て続けに勝利し、残るスコットランド戦では勝つか引き分けで、史上初の決勝T進出確定、という状況にありました。
ただし、当時のスコットランドとは、世界ランキングが拮抗しながらも試合の相性が悪く、1勝10敗という、なかなか泣ける戦績でした。
2015年W杯での、南アフリカのジャイアントキリング後、「日本は何かが変わった」という確信が皆にあったものの、スコットランド戦となると不安視する声も多かったのです。
さらに最も不安なのは、天候でした。
会場は横浜国際総合競技場。しかし前日は台風19号の接近で大荒れの天気となり、付近の川崎では避難者も出るなど、大きな被害が出ていました。
決勝T進出へ運命の一戦、しかし開催の危機。
そんな見出しが出ていて、私もすごく心配になり、ずっとスマホでニュースを確認していたのを覚えています。W杯生で見れるなんて、なかなかないもん。
待てど暮らせど開催か否かの情報が出ずに気を揉んでいた、試合当日の午前10時。
スコットランド戦、開催決定!
さぁ日本、勝って8強だ!
この見出しがYahooニュースに出た時の感激と言ったら……もう!!笑
スタジアム近辺は元々貯水池となっていて、大量の雨水からスタジアムを守っていたのです。すげぇな横浜。
ネット上にも歓喜の声が溢れ返り、私も事前にゲットしていた日本代表の桜のユニフォームを身につけ、意気揚々と家を出たのです。
最寄りの新横浜駅や小机駅周辺は、今のコロナ禍じゃ考えられないくらいの人混み。近くのコンビニで飲食物を調達する人も多く、棚がガラガラになってたのはよく覚えています。
スタジアムまでは皆、騒いだり歌ったり写真撮ったり。まさにお祭り騒ぎが既に始まっていました。
スタジアムの中に入るまでにも相当な時間並んだのですが、人混みへのイライラなんてありませんでした。
現地でのスポーツ観戦は何度か経験あるんですが、ラグビー、しかもW杯なんて生まれて初めてのこと。目にする風景や耳に入る音が全て物珍しく感じて、観光客の如くキョロキョロ、ニコニコしてました。笑
荷物検査を終え、座席を確認したら、次は観戦のお供を探さないといけません。
スポンサーになっていたハイネケンと、フランクフルトなどおつまみを買いこみました。
あ、私ほぼ下戸なんですが、同伴の母が割と飲めるので、私は少ししか飲んでません。笑
だんだんと席が埋まり始め、私の後ろには同じく桜のユニフォームを着たフランスのお兄さん達が座りました。
「Yeahhhh! Japan's gonna win!」
「Kamikaze, woahhhh!」
お兄さんは頭に神風と書かれた日の丸ハチマキ、右手にハイネケン、左手に小さな日の丸という出立ちで、我々に絡んできました。笑
「What does Kamikaze mean?」と聞かれ、「God's wind」と直訳で返して軽く相手を困惑させた私の悲しい英会話スキルもここに記しておきましょう。酔ってたのよ私、多分。
試合が始まると、ボールを持った選手の名前をみんなで叫びました。リーチ・マイケル主将だけは、みんなで「リーーーチ」と超低音ボイスを響かせます。笑
姫野選手の豪快なトライも生で見られて、私も大満足。見事スコットランドを下し、決勝T進出が確定した時はスタジアムが揺れました。
「うぉぉぉぉぉ!!!」
「ニッポォォォォンンン!!」
「ありがとおおおおおすげえええ!」
「カミカゼェェェイェア!!!」
最後の雄叫びはもちろん、私の後ろのフレンチお兄さんです。
私普段はテンションが超一定なんですけど、この時はお酒と勝利の高揚でなんだかテンション狂ってて、何を思ったのか「イエア!」と叫びながら、お兄さん達とハイタッチしてました。スポーツは人を変える、これは正論です。
最後には日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』の主題歌である、米津玄師さんの『馬と鹿』がスタジアム中に流れ、みんなで歌って控え室に戻る選手達を見送りました。
スタジアムから出ても、全員興奮冷めやらず。当たり前です。こういう時くらい、犯罪にならない程度ではしゃぎまくって良いのです。
筋金入りのラグビーファンの方には申し訳ないのですが、W杯のチケットをもらってから勉強したルールと選手名を駆使して、帰り道も母と感想を言い合ったのを覚えています。
お腹が空いたので、品川のロイヤルホストに入ったら、お客さんの半分以上が桜のユニフォーム姿。笑 「今日は祝杯ですね!」「ほんと、感動しましたよね!」なんて隣のテーブルの方々と言葉を交わしたのも、良い思い出です。
帰りに乗ったタクシーの運転手さんも興奮していて、本当に日本でやって良かったし、スポーツの力って偉大だなぁなんて感じた1日だったのでした。
ひょんなことからもらったチケットでしたが、あのチケット1枚に、ものすごいたくさんの思い出が詰まってるなぁって、未だに思うんです。
そりゃテレビ用のカメラよりも選手を鮮明に見ることは難しいし、素人には実況なしじゃ理解しづらいジャッジもありました。
だけどあの場所で何万人もが集まって、海外の人も日本応援してくれて、トライの時には隣近所を気にせず叫ぶ。そんな経験はやっぱり、生じゃないと無理だなぁってすごい思ってて。
だから今、カタールにいる方々が羨ましいです。笑
あとだいたいこういう時って、「にわかファンのくせに」とかいう批判もセットじゃないですか。
まあ確かに、知ったかぶりとか、謎マウントとって荒削りの知識ひけらかすとかはいけないと思うんですよ。本気の人にリスペクト足りてないから。
でも私は完全なにわかでW杯見に行って、それから楽しさが分かって、テレビでラグビーの試合やってる時は結構見たりして。
スクラム組む時の審判の掛け声覚えたり、ゴミを前に投げて「スローフォワード!」って独り言したり(怖)、少しずつ知識もついてより楽しくなってるんですよね。花園とか行ってみたいなぁって思うし。
経験からしか得られない楽しさもあるから、にわかがいても良いじゃない? ってのが、私の考えです。それはスポーツでもアイドルでも同じだって思うから、古参とか新規とか、過度に分類するのは良くないなって、少々の自戒も含めて思ったのでした。
……ってことを、どーしてもコスタリカ戦の前に書きたくて!!
間に合ったよギリギリだけど!!
今日も期待してるから、頑張れニッポン!
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