第58話 そのフライングは聞いてないって
宣言通り、今回はアイドル論はお休みです。ハロウィンのちょっとした経験談でもしましょうか。
これ実は夏に書いて下書きに眠ってたんですが、気づけば時期的にちょうど良くなるっていう。笑 トリックオアトリート!
この前たまたま、昔の日記を漁る機会がありましてね。というのも、『ピザ屋との死闘』を書くために見直す必要があったんです。アルファベットに関する事件があったのは覚えていたものの、当時の詳しい記憶は曖昧だったので……。無事に全ての会話が書かれた部分を見つけ、あの話の掲載に至ったわけです。
ただ、過去のものを漁るという行為は、なかなかすぐには終わらないものです。何だかんだで他の興味深いものを見つけてしまって、手が止まっちゃうんですよね。それで気づけば数時間経過していて、何を探していたか分からなくなる。それが私のお決まりのパターンです。
まぁ『ピザ屋—』のエピソードは結果的に見つかったので良かったのですが、その途中でハロウィンの話を見つけたので、書こうと思った次第です。
東京は渋谷。
どんなにたくさんの建物が消えたり生まれたりしても、不変のものがあります。
それは、忠犬ハチ公像とスクランブル交差点です。
このスクランブル交差点では、実に様々なムーブメントが生まれます。
新年を祝うのも、サッカー日本代表の勝利を祝うのも、ハロウィンの仮装をして練り歩くのも、全てここなのです。
ただこの交差点でのムーブメント、1日で終わるようなものじゃないのです。
ハロウィンも然り。
ニュースでは10月31日、当日夜の映像ばかり取り上げられますが、実際には1週間程度前から既に祭りは始まっているのです。
10月下旬の夜、制服のセーラー服姿で帰途につこうとしたら、警察官やナースのコスプレした人達に絡まれそうになりましたからね。こっちは仮装じゃなくて本業だっつーの!笑
さてここで、1つの疑問が生じます。
みんな、一体どこで仮装服に着替えてるの? って。
まさか、自宅からガッツリ仮装して来る人はそんなにいないでしょう。ハロウィン当日の夜の山手線は、獣やゾンビでごった返し、全員顔には血糊が付いているのにナースもミニスカポリスも知らんぷり、のカオスな状況ですが笑、昼間から電車で血糊つけてる輩には出会ったことがありません。
結論から言うと、彼らは渋谷駅周辺のお手洗いで着替えているのです。まだ東急東横店があった時代の話ですが、普通にお手洗い行こうとしたら、どこの階もアホみたいに混んでいたことがあって。しばらく並んでやっと洗面が見えるあたりまでやってきたら、そこにはミニスカポリスが大量発生……なんてこともあったなぁ。笑
10月中旬のある日、私は渋谷の居酒屋にいました。
ある人とデート(仮)をしていて、一応女子として、はしたないなんてことがないように気をつけながらお手洗いに立ったのですが、1つしか個室がありませんでした。店内にはかなり人がいて、一旦引き返すと他の人に入られてしまいそうなので、ドアの前で待つことにしました。
少しして、流水音がして、(あ、そろそろ出てくるな)と思った時。
「アアアアアアッッッッッ!!!!!」
「ぎゃああああああああああっっっっっ!!!」
まだハロウィンまで1週間以上あったんですよ。それなのに。
にょろんとしたツノが2つ飛び出た真っ黒な被り物をし、真っ黒なアイラインを引き、頬にはベットリと血糊のついたマレフィセントが急に出てきたわけです。お手洗いブースは狭かったので、彼女との距離、およそ30センチ。
もうハロウィン週間がやってきたという免疫がまだついていなかった私は、思いっきり叫びました。お化け屋敷並みに。笑
ってか謎なのはさ。
私より先に彼女が叫んだことなんですよ。上の鍵カッコの1つ目、私じゃなくて彼女のセリフなんですよ。笑
彼女との距離が近かったのは認めます。でもそのくらい狭かったんです。
なのに、なんで私の方がヤバい仮装してるみたいな叫び方するんですか。笑 私何も仮装してないって。デート(仮)用の可愛い服しか着てないって。
絶望的に似合わなかったのかなぁ。でも一緒にいた相手は、「似合ってるよ」って言ってくれたんだけどなぁ。嘘だったのかなぁ。笑
その後、無事にお手洗いから出た私。
あれだけ叫んだから、お客さんから白い目で見られるんじゃないかとビクビクしていましたが、杞憂に終わりました。
コロナ前だったのもあってか、当時店内は多くの人で賑わっていて、普通にうるさかったんです。だから多分、私達の叫びも喧騒の一部として消えていったのでしょう。
お手洗いであんなに叫んだのは、後にも先にもこれだけです。
まぁ渋谷のお手洗いは、ハロウィンじゃなくても色んな人と遭遇しますけどね。でもツノ生やして血糊くっつけてる人は、流石に10月下旬以外には見ませんってば。
かなりのフライングで仮装するのは、できれば遠慮してもらいたいなと思った出来事でした。笑
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