第43話 映画館でのポップコーン消費が鑑賞中に観客へ与える影響に関する一考察

 修士論文を書き終えたばかりなので(と言っても3ヶ月前ですが笑)、タイトルが論文チックになってしまいました。

 まぁ平たく言えば、「映画館で映画の上映中にポップコーン食べることが観客にどういう影響を与えるのか」って話です。今はコロナでLサイズのポップコーンの販売見合わせが続いているようですが、今回はコロナ前のエピソード中心になります。



 私、映画館でポップコーンを食べるかどうかは、完全に一緒に行く人に合わせます。

 もし母親なら、120%ポップコーンありです。しかも、味はキャラメルと塩のハーフ&ハーフ、サイズは2人でM〜Lと決まっています。もはやそれがお昼ご飯の代わりになっていて、映画を見終わった頃には満腹で、夕飯の時間が遅くなることもあります。笑

 もし友人Aなら(記号に意味はありません)、50%ポップコーンありです。味はコンソメとかピザとか、期間限定が多め。サイズは2人でS〜Mくらいでしょうか。観賞後にお茶しますから、小さめサイズになります。

 もし友人Bなら、120%ポップコーンなしです。「映画に集中したい。咀嚼音はいらない」派閥に所属しているためです。



 こんな感じで、ポップコーンを食べるかどうかはその相手次第なのですが、ポップコーンを食べる時に気をつけていることがあります。


 それは、①本編に入る前までに結構食べておくこと、②後ろの方の座席を確保しておくこと、③感動系や静かにしとくべき系のシーンでは食べないこと、の3点です。

 なぜこれらに注意する必要があるかというと、私の友人Bみたいな派閥が結構いるからです。まぁね、集中したいシーンで、ある程度容量が減ってきたポップコーンを下からガサガサとまさぐる音や、バリバリコリコリ(たまに種入っててコリコリしますよね)なんて咀嚼音を挟まないで! ノイズだから! ってのもよく分かります。



 ただそういうことを言い出すと、以下のようなポップコーン戦争が起こる気がするのです。


【ポップコーン擁護派】

「咀嚼音がうるさい? だって映画館側が販売してるんだから、そんなの気にしなくていいじゃん! LINEのスタンプだって、『映画館』って入れたら予測変換でポップコーン食べてるムーンのスタンプ出てくるじゃん! それくらい、映画×ポップコーンは当たり前なんだよ!」


【ポップコーン反対派】

「当たり前? そんなはずない! 欲を言えば、アクション映画とかアニメ映画以外はポップコーン販売禁止して欲しいくらいだ! 静かなシーンでバリって音するのが耐えられないんだよ! しかも映画終わった後の床汚すぎんだって! どうせ大きいサイズだと残してるのもよく見るし、それなら家で食べながら金◯ロードショーでも見ててくれ!」


【擁護派】

「家で見ろ、だって? それならあんた達が家で見ればいいでしょう! チケット代に加えてポップコーン代まで払って、映画館の利益に貢献してるのは我々なんだぞ!」


【反対派】

「利益に貢献してても、結局清掃にコスト使わせてるじゃないか! しかも我々だってね、ポップコーンは買わなくてもアイスコーヒーくらいは頼んでるんだよ!」


【擁護派】

「アイスコーヒーだって、静かな場面で残り少ないのをストローで吸ったらズズズって音するし、そもそもホルダーから持ち上げた時点で氷のカラカラした音がうるさいし! ポップコーンと変わらないでしょうに」


【反対派】

「そっ、それは……!! じゃあなんで、そもそも映画館でポップコーン食べたりアイスコーヒー飲んだりできるようになったんだ?」



 とまぁ、こういうことになりそうじゃないですか(ほぼ水無月の偏見)。



 そもそも、なんで映画館内での飲食がOKになったのでしょう。



 いくつかのネットサイトの内容を寄せ集めると、こんな経緯だったようです(舞台はアメリカ)。


 最初は無声映画で、視覚情報をフル活用しなきゃいけなかったので、邪魔な音がするポップコーンの持ち込みは禁じられていた

→映画に音声がつくようになったが、当時の映画館は換気が悪いなどの問題点もあり、持ち込みがまだNG


 しかし世界恐慌に突入し、映画館の経営が傾き始める

→試しに大手映画館がポップコーンマシーンを置いてみた所、なんとか赤字を避けられた! それに、映画に音声がついたので、ちょっとくらいの音なら大丈夫だろう、とポップコーンが許容され始めた


 ポップコーンを許可してみたら……

 チケットの売り上げのほとんどを配給会社に持っていかれる映画館の救世主になってくれた

 原材料が安いので、そこまで負担にならなかった

 誰でも作れるので、一定の品質が保たれた

 つまらない映画の時はスクリーンにポップコーンを投げつけることで観客もストレス解消できた(昔の番組『IQサプリ』のモヤっとボールみたい。ご存じですか?)



 ポップコーンは観客のためでもあるけれど、映画館のためにもある大事な商品だったのですね(知らずに食べてた)。

 何も買わずに見るより、Sサイズでも買ってあげた方が良さそうです。


 ただやはり、音や匂いの問題はあまり解消されていないのだとか。そもそも、ポップコーンは他のお菓子よりも音が小さく匂いも出づらいものではあるようですが、映画館ってある意味特殊な空間なので目立っちゃいますよね。一応、「口を閉じて食べることでポップコーンの湿気を多くして音を小さくする」とか、工夫の余地はあるらしいんですが、そこまで気を遣って食べられる自信もありません。笑


 うるさい人にとってはうるさいし、平気な人にとっては平気なのです。ここらへんの個人差って、どうにかならないもんなんですかねぇ。



 ちなみに私は、拳銃ぶっ放すシーンとかビル爆破シーン、みんなでミュージカルみたいに歌って踊るシーンでボリボリ食べるようにしています。特に人の命が奪われちゃうようなシーンは、よくトラウマになって夢に出やすいので、食べながら見るとダメージが程よく緩和されるのでおすすめです(じゃあ見なきゃいいだろって批判はしないでね)。笑

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