第30話 割と猟奇的なことしてた話

 今回も食べ物ネタにしようと思います!

 旅行に行けていた時の日記を見返したら、どんどん思い出が蘇ってきましてね。やっぱり日記って大事ですね。ページをめくれば、当時のありのままの感情とか、現地の匂いまで思い出させてくれる。


 ……と言いつつ、今回の内容は日記に書かれていたわけじゃないんですけどね。笑

 まだ日記を書くという習慣がなかった頃のエピソードなんですが、ふと思い出したので。このエッセイを日記がわりにしようかな、なんて。



 今回の舞台はオーストラリアです。ただ、南東部シドニーでのことなのか、北東部ケアンズでの話なのかは忘れました。笑


 オーストラリアと言えばこれ! みたいなご飯は正直ないんですよね。国旗を見れば分かりますが、左上にイギリスと同じユニオンジャックがついていますから。元々イギリスの領土だったので、オーストラリア独自のっていうのは個人的にはないように感じます。実際、ネットで「オーストラリア ご飯」と調べて最初に出てきたのが、フィッシュアンドチップスでした。いや、それイギリスで食べられるやつやん。笑

 ただ、お肉はオーストラリアの強みと言っても良い気がします。オージービーフ、日本でもよく見かけますもんね。今回はそんなお肉のお話。



 まだ私が幼い頃のことでした。ランドセル、背負っていたかなぁ?

 親と一緒にオーストラリアの市街地を歩いていて、とあるお店に入ったんです。観光客向けの大きなお土産屋さんでした。

 ふらりと入り、冷房で涼みながらキーホルダーやボールペン、Tシャツなんかを見て回る中、とある缶詰が目に入りました。確か可愛い動物の絵が描いてあったような。英語のパッケージは全く読めませんでした。


(これ何だろう?)


 そう思ってじっと見ていると、店員さんが「どうしたの〜?」的な感じでやって来ました。すると親と店員さんが何やら話して、一瞬奥に引っ込んだ店員さんはお皿的なのを持ってこちらに戻ってきました。


 そうです。私がガン見していたのはお肉の塩漬けの缶詰。

 店員さんはその試食を持ってきてくれた、というわけです。


 店員さんが持ってきてくれたお皿は3種類ありました。「食べてみな」といった具合に、私に一切れ、食べやすそうなのを選んでくれました。


 まず1つ目。……う〜ん、何か独特の臭み? がある。すごく癖のある味。私の顔が曇っていたのか、店員さんはすぐに別の味を用意して、食べさせてくれました。


 2つ目。……う〜ん、クセはさっきよりない気がするけど、「美味しい!」とは言い難い。私の表情が煮えきらないのを見て、最後の味をすぐさま用意してくれる店員さん、気配り上手すぎました。笑


 そして最後の3つ目。……あれ? 今までの2つより、ずっと食べやすい! ちょっとしょっぱめの鶏肉みたいな、魚みたいな……いや、これはチキン。


 最後に私の顔が輝いたのでしょう笑、店員さんも「美味しいでしょう?」みたいにニコッとしていたのを覚えています。


 さて、問題です。

 私が食べた3種類のお肉は、それぞれ何のお肉だったと思いますか?



 正解は…………



 【コアラ】と【カンガルー】と【ワニ】です!!!



 あの可愛いコアラ、逞しいカンガルー、怖いワニ、全部食用だったんですぅぅぅ!!! めっちゃびっくりしました!

 コアラの抱っこ体験した後に肉食べましたからね。カンガルーの仲間であるワラビーに餌やり体験した後に肉食べましたからね。「可愛い可愛い♡」って愛でた数時間後に私は……彼らの命を……。

 肉の正体を知った時と言ったらまぁ、うん……軽いトラウマレベルで落ち込みました。私、なんて猟奇的なことをしたんだろうって。笑


 1つ目のクセ強いのがコアラ。

 クセつよの原因は、コアラが食べるユーカリにあるようです。まぁユーカリって毒性ありますからね。ユーカリの精油成分ってのが特にヤバいらしいです。人間の子どもや、喘息患者には禁忌。下手したら死にます。毎日新聞のコラムによれば、コアラは肝臓がバカ強いため、ユーカリの毒を一撃で破壊するらしいです。しかも、消化を助けてくれる微生物が便を経由して親子間で引き継がれていくため、ユーカリを食べても大丈夫なんだとか。肝臓強いってことは、お酒も強いのかしら(ほぼ下戸の私からしたら羨ましい限り)。

 てなわけで、ユーカリの毒自体はもう分解されているので、肉として食べる分には問題ないみたいですね。オーストラリアの先住民族・アボリジニが食べていたようですが、やっぱり彼らもそのクセの強さから、好んで食べることはなかったんだとか。そうだよね。私も好んで食べたくはないな。笑


 2つ目の微妙なのがカンガルー。

 カンガルーは皆様ご存知の通り、めっちゃムキムキですよね。体脂肪率低そう。

 その予想はドンピシャで、wikipediaによれば、脂肪分は約2%とのこと。少なっ!! 何その羨ましい体!!

 コレステロールもカロリーも低く、一方でタンパク質やビタミンが豊富なので、健康的な食事には持ってこい。オーストラリアでも輸出先の海外でも、roomeatルーミートとして親しまれているようです(オーストラリアでは、カンガルーのことをルーと言うらしい。可愛い。なのに食べるんだね。切ない)。

 ただね、獣感は拭えないんですよ。臭いはやはり完璧には消せない。そして筋肉質なので、風味を味わうのには向いてない。要するに割と臭うパサパサ肉です。笑

 こちらも、好き好んで食べたいとは思わないかな。本当にそれしか世界にないって言われたら、まぁ、うん、食べるかも。


 3つ目の思ったより行けたのがワニです。

 何が良いって、臭みがないんですよ! 哺乳類じゃないからなんですかね?

 鼻に近づけても全然違和感なくて、普通に鶏肉。中には豚肉みたいと言う人もいるみたいですが、私は(マジでチキンじゃん)って思っていました。

 ワニ肉もカンガルー肉同様、栄養価は結構良いらしいです。何よりコラーゲンがコアラやカンガルーよりも多いので、美肌効果が高いみたいなんですね。花粉症の低減にも役立つみたいですが、これは本当かどうか、ネットを見ただけではよく分かりませんでした。とにかく、味と栄養がある程度保証されているものだとは言えそうです。


 結局、その肉の缶詰は買わなかったと思います。空港で引っかかるって話だったんだっけ? そこは自分が幼かったので、よく分からないのですが、確か買いませんでした。

 そして私は最も美味しかった3番目のお肉がcrocodileクロコダイルだと知り、猟奇的なことをしてしまったという後悔もいつの間にか吹っ飛び、帰国してから周りの子達に「ねえ知ってる? ワニって美味しいんだよ!」って言いふらした記憶があります。ただの自慢マウントじゃん。ただただウザいわ。笑


 まぁ、いくら美味しいと言えども、見た目がアレですけどね。革見えてますので(この表現苦手な方いたら本当にすみません)。

 幼少期に結構猟奇的なことしたなぁと思います。特にコアラとカンガルーは、見るだけで十分です!笑



 日本でコアラやカンガルー、ワニを食べられる専門店があるかは、ちょっと分かりません。ただ通販はあるようなので、気になる方はポチってみても良いかもしれません。しかし、ここに書いたのはあくまで個人の感想です。味と見た目の保証はしかねますので、どうか自己責任でお願いします。笑

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