第18話 眠り姫の異名
本当はアイドルについて語りたいことがまだまだあるのですが(どんだけあるのよ)、前回もアイドルについてグダグダ喋ってしまったので笑、別の話を持ってきました。
今回のタイトルは『眠り姫の異名』。『眠り姫』とは、私が高校生の時に教師陣から賜った異名でございます。笑
なんで眠り姫と呼ばれるようになったのか、またその生態について少しお話してみようかなと。
第2話でもお話したのですが、私は根っからの夜型人間でございます。部活があろうが試験が迫っていようが、私はずっと夜型です。朝型にしようと何度も何度も頑張りましたが、もう無理です。これはもう体質だと思うので、諦めました。
先日、女優の吉永小百合さんが某番組で「私、夜になるほど元気になるんですよ」とおっしゃっていたのですが、私もまさにそれなんです。夜が更けるほどアドレナリンが出てきて、課題とか筋トレとかやってしまうんです。エナジードリンクなしで徹夜できちゃう人なんです。
ですが、学校は夜間開講でもないので、早起きは喫緊の課題となります。それに私は(一応)運動部でしたから、朝練もしばしばありました。私が下っ端の時は、先輩に朝7時登校を命じられることもありました。内心(殺す気かオイ)って思っていました。口が裂けても言えないけど。笑
部活は楽しかったし、体を動かせば目も覚めると思って、眠い目を擦って登校していたのですが……授業になった瞬間撃沈。柔らかな日差しがね、窓側にいる私の頬を優しく照らすんですもの。これは立派な不可抗力。さらに先生の一辺倒な声(失礼)と昼食が入れば、私を眠りの世界に誘う準備は完璧ってことです。
何度か席替えもあり、くじ引きで教壇の目の前になったこともあったのですが、そこでも懲りずに寝ていました。だって眠いのは生理現象ですからね……(開き直り)。
最も失礼なことをしたのは、中3の時です。一番前の席だったのですが、その日はとんでもなく眠たくて、週番の「起立、気をつけ、礼」の号令が終わって着席した途端、机に突っ伏したことがありました。先生にも、「流石にそんな序盤に寝ないで」と呆れられましたね。その2年後に彼女は私の担任になりました。気まずかった……。笑
私のことを『眠り姫』と呼び始めたのは、確か地理の先生だったと思います。部活の大会が迫っていると、振り付け以外にもやること山積みなので、熟睡する部員もそこそこいました。しかし私は大会が終わってもなお、熟睡……いや、爆睡を続けていたのです。笑 地理の先生はそんな私を見て、ある朝の授業後に言いました。
「水無月さん……まるで眠り姫ね」と。
まだ『眠り姫』なんていう、可愛らしさの残るあだ名で良かったです……。
学年が上がると文系・理系に分かれ、選択授業も増えたので、他クラスに出入りして授業を受けることも出てきました。その頃には、他の先生にも私の異名は知れ渡っていたようです。給湯室のネタになっちまったのかもしれん。笑
そんな『眠り姫』に対する、先生方の態度は様々。
世界史の先生にはめっちゃ怒られました。他クラスの生徒もいる中で、「水無月さん、寝てるなら帰っていいですよ」的なことを言われ、もうそれは大目玉を食らいました。政治経済や、数学の先生にも注意されたな。家庭科の先生に至っては、もはや注意せず、私を好きなだけ眠らせました。目覚めたら終礼になっていたことが一度だけありました。笑
だけど瞼の重みに全く耐えられない。ナルコレプシーも疑いましたが、どうやらそうではなさそうだったので、私は「寝ても先生に怒られない方法」を考えるようになりました。
そして、唯一の答えにたどり着きます。
それは……
——そう、「試験で結果を出すこと」、これに尽きます。笑
でも寝てるのに、どう結果出すの? って思うことでしょう。当時はまだ予備校に行っていませんでしたし、教科書だけで高得点を取れる試験でもありませんでした。
ここで使えるのが、
私は、各教科における秀才(よっ友以上の関係であり、授業中あまり寝てなくて、成績も良い人)にノートを写させてもらうというセコい策を思いつきました。一応写させてもらうだけじゃ悪いので、彼らが求める科目は頑張って起きてノートを取るとか、試験直前に私がミニ講座を開いて得点を稼ぐ極意を伝授するとか、それなりの返礼(笑)もしていました。ギブアンドテイクはいつの時代も大切です。
私には、勉強において2つの強みがありました。1つ目は、理解したことを自分なりの平易な言葉やイラストで他者に伝えられること、2つ目は効率的な暗記の方法を身につけていたことです。
1つ目に関しては、試験1週間前くらいに「世界史のここ教えて」などと私に聞きに来る人々がいたので(世界史1番寝てたのに笑)、各国の思惑や時系列をイラストにして伝え、自分の復習としても活用していました。
2つ目に関しては、1回で覚えられなかった所に星をつけ、2回目は星の所から覚えるとか、分からなかった所には付箋を貼って、分かったら付箋を取る、などの基本的なことを伝えたのですが、これを伝えた直後の試験で前回より20点上げて私に猛追した強者がいたので、それ以来懇切丁寧に伝授するのはやめました。笑
そんなこんなで他人の成績アップにも貢献してしまったため、『眠り姫』の私が色々な人脈を頼ってプリントやノートを貸してもらうことが多くても、文句は言われなかったのです。一方、私も寝ていた部分の補填ができて成績アップ。それ以来、先生が私をガチトーンで注意することは減っていきました。結論、
ただ、自分でも「引くくらいイキってたな」と思うのは、高3の政治経済の授業でした。
「水無月さん。そんなに寝ていたら、授業内容分からなくなるぞ」
「(むにゃむにゃしながら)試験で1位取るので平気ですぅ〜」
なんてウザい生徒だったの、私……。笑
そしてなんと、試験で本当に学年1位を取ってしまい、先生を黙らせた(呆れさせた?)ことがありました。ここまでウザいと逆に痛快かもしれませんが、決してマネしないで下さい。私はあなたの学校生活に責任を取れません。笑
そんなこんなで、私は卒業まで『眠り姫』の異名を賜っていました。後輩に『眠り姫』を襲名した人いるのかしら。
とにかく、朝は苦手でした。今も苦手です。私が元気になるのは、夕方以降です。笑
ですが、それでもやはり、先生のお話はちゃんと起きて聞くべきだな、と痛感しています。だって傷つくじゃん、自分が先生だったら。
自分がされて嫌なことは、なるべくしないように気をつけよう。特に寝ちゃうことに関しては、マジで気をつけよう。
私は心から、そう思いました。
目の前で爆睡の醜態を晒してしまった先生、怒りスイッチを発動させてしまった先生、軽口叩いて挑発してしまった先生、ほとほと呆れさせた先生には、今更だけど、本気で申し訳ないと思っています……もっと謙虚な人間になります……。笑
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます