第17話 もう語られていることだとは思うけど

 今回のタイトルは、もうそのまんまです。

 もう語られていることだとは思うけど、アイドル考察させてください。笑

 あ、グルメは一旦終了とさせていただきます。また近いうちに入れますね!


 今回は端的に言えば、アイドル論×社会学、って話です。

 社会学と聞くと堅苦しい気もしますが、ここでは性別役割分業を意味しています。「男性は外で働き、女性は家庭に入る」ってアレです。共働きが世帯の約半分を占めるようになったのでこのセリフ自体はもう通用しないかもしれませんが、「まぁ共働きと言えども勤務量や勤務時間は旦那が多くて、家事育児は奥さんがやるよね」っていう暗黙のルール。


 これはもう、とんでもなく昔からまかり通っているものです。

 昔話の時点で「おじいさんは山へ芝刈り(勤務)に、おばあさんは川へ洗濯(家事)に行きました」って言っちゃってますもんね。我々は物心つく前から、「男は仕事、女は家事なんだなぁ」って信じているわけです。


 まぁそれは今置いといて。

 今回はアイドルを絡めてお話したいのです。


 私がより一層の応援の気持ちと共に、一抹の寂しさを覚えた出来事。それは私の永遠の推し、松井玲奈さんのSKE48からの『卒業』でした。報道が出た時はびっくりしたっけ。


 でも冷静に考えると、「ん? ?」ってなりません?


 卒業って言ってるの、女性アイドルが大半だなって思ったんです。なぜか女性の場合、アイドルグループに加入したらいつかは出なきゃいけないんです。柏木由紀さんなんかは30歳でもAKBにいますが、「いつになったら卒業するんだ」とマスコミからもチクリと言われるほど。


 30過ぎてもアイドルでいることに批判があるのなら、ジャニーズとかバグってますよ。もう少年隊、KinKi Kids、TOKIO、V6とか頭おかしい部類に入ってますよ。笑 それに彼らの場合、アイドルを辞めるにしても『卒業』ではなく『脱退』とか『退所』って言われます。すごくイメージ悪い言葉ですよね。最近でこそ『脱退』や『退所』を決断したメンバーには温かい声も寄せられるようになりましたが、報道があった日にはSNSやらネットニュースのコメント欄が「裏切られた」「悲しい」「あり得ない」なんていう言葉で埋まってしまいます。


 なぜ女性は『卒業』を求められ、男性は『存続』を求められるのか。


 やはりそこには、先述の性別役割分業の価値観が根強く横たわっているからじゃないかなぁ、って考えます。つまりアイドルだろうが何だろうが男性は働く、女性は一定の場所で退く。この価値観が強いんじゃないかと。男性アイドルにもはや定年はないようなものなのに、女性アイドルには30歳、あるいはその少し手前といったかなり具体的な定年がある。「パパが現役アイドル」は聞いたことあるけれど、「ママが現役アイドル」は滅多に聞きませんものね。

 書いてて思ったんですが、別の見方もできますね。掘り下げてみると、結構深い事象なのかもって感じます。


 それは、「魅力的な対象としての期限」です。すごい露骨な書き方になってしまいますが……。端的に言えば、女性の方がこの期限が短いということ。男性は歳を重ねても「大人な一面が見られてかっこいい♡」とか「色気が出てきた♡」とか言われるじゃないですか(私のプリンスこと藤ヶ谷太輔さん(笑)はそう言われています)。でも女性って歳重ねると、アイドルなんか特に「老けた」だの「太った」だの言われちゃいますよね。水着のグラビアが多いことからも、女性アイドルはやはり性的な消費対象として見られがちなんだなぁと感じます。

 私もSKEのメンバーのことを「うわぁめっちゃスタイル良いじゃん」とか「すんごく美人」とかいう目線で見ることはありましたが、それ以上に彼女達の姿勢とか努力に胸を打たれることが多いので、グラビアとか写真集はそんな積極的には見なかったですね。笑


 女性にも加齢によって良い意味での“渋さ”が出ると思うんですが、それはアイドルに求められるものではないんですよね。女性アイドルに求められるのは若さです。もう一にも二にも若さです。あとは清純さかな?

 恋愛禁止令なんてのは清純さの筆頭で、恋愛は『卒業』してからでなければ文○砲を派手に喰らって爆ぜますし。その点では男性アイドルが恋愛沙汰で拗れるのって、犯罪スレスレの行為とか不倫した時に限られるなって印象があります。女性アイドルなんて同年代の男性との2ショットだけで炎上しちゃうので、可哀想だなと思うこともあります(まぁ、それを分かって自らアイドルになってるんだから自業自得、というご意見もド正論)。

 そういう意味では、女性アイドルの『卒業』ってある種の結婚勧告というか、「そろそろ年齢を自覚してキャリア変えた方がいいんじゃない?」っていう通告の一種でもあるような気がします。実際、卒業後間も無く結婚や出産される方多いですし。


 一方、これはジャニーズの話になりますが、男性アイドルだとグループの足跡をすごく大事にするイメージがあります。

 例えば私の大好きなKis-My-Ft2の場合、デビュー日の8月10日はもちろんですが、結成日の7月26日もすごい熱量でお祝いします。「このメンバーで○年いたこと」を大事にするんですよね。だから嵐が活動休止に入る際、大野さん以外は芸能活動を続けるにも関わらず、その「5人で○年」が途絶えるために打ちのめされたファンがいたわけです。

 こんなこと言ったらSKEヲタに怒られそうですが、SKEが今年でデビュー何周年なのかはうろ覚えです。多分13周年。笑 でもキスマイは今年でデビュー10周年です。これはしっかり覚えてる。それはあの7人の軌跡を丹念に追っているからです。


 こと48や坂道グループは、全体の人数がめちゃめちゃ多い。そして『卒業』も一定数いるから、入れ替わりが多いので「このメンバーで何周年」の概念がないんです(これは私個人の意見です。そしてハロプロ等は除く)。だけどジャニヲタはヤバいです。もう何周年とか誰々が抜けちゃうとか、いつもどっかしらのファンが騒いでる。笑


 あとこれも書きながら個人的に思ったことなんですが、この違いってファン層の影響もあるのかも? って。

 例えば女性アイドルなら男性ファン多いじゃないですか。でも男性って(一口に言えば)固定の仲良しグループで「ずっと仲良し♡」的なことはしないですよね。お付き合いしても、「何ヶ月記念」ってのやる人あまり多くはない印象がありますし。良い意味でも悪い意味でも、来るもの拒まず去るもの追わず、な所があります。

 でも男性アイドルだと女性ファンが多いですよね。サバサバした女性ももちろんいますが、やっぱり同じグループで何年も一緒にいたり、恋人と記念日をこまめにお祝いしたいと思ったりする人も一定数いる。そうなるとやっぱり、相手がアイドルでも記念日とか過程とか大事にしがちで、デビュー日や入所日になると一部のSNSがお祭り騒ぎになりやすいわけです。笑 それは裏を返せば、一切の脱退を許さないってことでもあるんだろうなぁって感じます。


 ここまでつらつらと書いてきましたが、女性アイドルにばかり『卒業』が目立つ背景には、今まで言ってきたようなことがありそうです。思ったより考えられる要因がたくさんで、私が最もびっくりしています。笑


 こうやって書いたものを見てみると、女性だけ可哀想なんて思うこともありますが、ある意味女性の方が自由な気もしています。

 だって『卒業』しちゃえば、ある程度は恋愛も結婚も思い通りだから。男性アイドルは『卒業』の概念がない分、女性アイドルよりも結婚のハードルが高いと感じます。お相手にも相応の覚悟が求められますし……。私はキスマイの結婚全然ウェルカムなんだけどな。


 結論らしいことは何も書けないまま、また3,000字以上も費やしちゃいました。笑

 間違いなく言えることは、「アイドルってめっちゃ大変やん」ってことですね……。


 今後も恐らく懲りることなくアイドル考察しちゃいますが(まだネタがある笑)、生温い目で見守っていただければ幸いです。

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