第11話 アイドルとは何か(その1)
今回は、個人的なアイドル論でも展開してみようかと。初めての芸能ネタです。
私はアイドルヲタクです。もはやそれがアイデンティティです。笑
第1話の冒頭で触れたように、私は元SKE48の松井玲奈さんのファンです。そしてKis-My-Ft2の大ファンです。特に藤ヶ谷太輔さんの大大大ファンです。
今回はジャニーズ、中でもKis-My-Ft2(以下キスマイ)に焦点を当てて、「アイドルとは何か」を考えたいと思います。愛が深い故にめっちゃ長いです、すみません。笑
私がキスマイ、というか藤ヶ谷さんの虜になったのは、彼の所属グループであるキスマイがデビューして間もない頃でした。2011年の年末のことです。
今でもはっきりと覚えています。
TVガイドの、年末年始特別号の、山下智久さんが表紙だった時です。
その中に、1月放送予定の『理想の息子』という、Hey! Say! JUMPの山田涼介さん主演のドラマ特集があり、三船憲吾役の藤ヶ谷さんがフィーチャーされていました。その時の写真に、私はハートをブチ抜かれました。
いいですか?
撃ち抜かれたのではありません。
ブチ抜かれたのです。
今までタイプの男性像というか、外見がドンピシャで大好きな芸能人がいなかったのですが、彼を見て確信しました。(あ、これが私の理想だ)って。
私のタイプは、言葉では表せません。タイプは藤ヶ谷さんです。藤ヶ谷さんこそが、私の中の理想をオールスターな状態で詰め込んだ、究極の美の完成形なのです。笑
まぁこれ以上語ると皆さんを置いてきぼりにする可能性があるため笑、藤ヶ谷さんに関しての話は控えます。でもこれが、私とキスマイの出会いでした。
ドラマの藤ヶ谷さんももちろんカッコ良くて、完全に虜になりました。そして彼をもっと知りたい! と欲求が高まり、程なくしてキスマイというグループに辿り着きました。
ドラマ終了後すぐにキスマイのファーストアルバムが出て、即買いました。でもプレイリストを見たり、歌番組を確認したりするようになってから、気づくんです。
——あれ? この7人、どこかオカシイ。
当時のマネージャーの意向もあったのだと思います。
彼らは綺麗に、前列3人と後列4人に分離していたのです。
前列3人(別称・まえあし)とは、藤ヶ谷さん、北山宏光さん、玉森裕太さん。後列4人とは、横尾渉さん、宮田俊哉さん、二階堂高嗣さん、千賀健永さんのことです。
彼らは歌割は愚か、衣装も違う。CDのジャケットは常に3—4のフォーメーションで、ドラマなど歌以外の仕事が回ってくるのは基本的に前列3人のみ。私が嬉々として購入したファーストアルバムだって、ソロがあるのは最も歌が上手いとされる藤ヶ谷さんと北山さんの2人だけだったのです。
確かに藤ヶ谷さんのことは好き。でもキスマイの売り方は絶対におかしい。
継続してキスマイを応援すべきか、悩んだこともありました。たかだか新規のファンが悩んでどうする、って話ですが、本気でハマるものを見出しかけていた私は、結構真剣に悩んでいたのです。
結局、キスマイを応援することに決めました。
最も好きなのは藤ヶ谷さんだけど、7人みんなが活躍して欲しいって思いました。だから、公式のジャニーズショップでは写真が買えるのですが、7人全員が揃った写真とか、後列4人だけの写真とかを買うようにしていました。
こうして応援していくと、彼らの軌跡も自ずと学んでいきます。
藤ヶ谷さんの13年を始め、下積みが非常に長かったこと。昭和生まれが大多数いる中で、全員平成生まれのHey! Say! JUMPにデビューを越されて絶望しかけたこと。KAT-TUNやNEWSとしてデビューできる可能性があったのに、惜しくも選ばれなかったメンバーがいたこと。“出来損ない”の集まりでみんなやさぐれていたこと。元々センターは玉森さんではなく千賀さんで、デビュー前に玉森さんに変更されたこと。ジャニーさんは横尾さんのお兄ちゃんに期待していたのに、弟の横尾さんが入所して「お兄ちゃんの方が良かった」と面と向かって言われたこと。ダンスができなくて、いっつも振付師さんに怒られていたこと。後輩のデビューコンサートでバックダンサーを務めなきゃいけなかったこと。退所を何度か考えたこと。メンバー同士で軋轢が生まれて大喧嘩したこと。
一言で表すと、彼らはジャニーズの中でもかなりの苦労人でした。
やっと掴んだデビュー。でもそれも、東日本大震災の影響で当初の予定よりは延期されてしまって。その上、デビューしたのにバックダンサーのような扱いを4人は受ける羽目になって。前列の3人だって、慣れないドラマ出演で挫折して。急に仕事が舞い込んで、寝る時間がなくなって。
上の世代にはまだSMAPと嵐がいたし、下の世代には同時期にデビューしたSexy Zoneがいて、活躍できる場所を求めてもがいている感じでした。派閥の関係でSMAPのバーター出演が多すぎたのも、ちょっと露骨すぎましたし。
本気でファンになって、応援しようと決めて、私は初めて知りました。
アイドルって、思ったよりもずっとずっと泥臭い世界なんだと。
私達の前では素敵な笑顔振りまいてくれるけど、その裏で流した涙は数えきれなくて。
冷静に考えれば、ドラマのセリフ入れてバラエティーで宣伝して新曲覚えて振り付け覚えてカップリングも収録してコンサートのセットリスト組むなんて、とんでもない仕事量です。でも普通にやってのけて、もうデビュー10周年。誰1人欠けることなく、休養もなくここまで来た彼らは本当にすごいと思っています。
キスマイは、3—4のフォーメーションのせいでよく「格差グループ」なんて揶揄されていましたが、デビューから2年経過した2013年頃から風向きが変わっていきます。
元SMAPの中居正広さんが、後列4人を「
7人でリリースする曲の衣装や歌割が本格的に変わり始めたのは、20個目のシングル『赤い果実』の後から徐々に、でしょうか。昨年リリースの26個目のシングル『ENDLESS SUMMER』では全員が異なる衣装を纏い、前列3名と後列4名の明確な差異が消えました。歌割も、今ではサブボーカルは舞祭組の宮田さんと千賀さん、ラップは同じく舞祭組の横尾さんと二階堂さんが務めています。アルバムでは、全員がソロ曲を持てるようになりました。
アイドルには、天性の才能も必要だと思います。
嵐の松本潤さんや、King & Princeの平野紫耀さんはオーディションなしでジャニーズ事務所に入所し、共に10代でデビュー。圧倒的人気を誇る2人です。
でもキスマイのように、デビューしてから変わっていくグループだって、あっても良いと思います。ちょっと失礼な話にはなりますが、格差があったからこそ、舞祭組として一肌脱いでガムシャラに進んでいく4人に一気にスポットライトが当たったわけです。
人気メンバーの藤ヶ谷さんでさえ最も下積みが長かったし、北山さんは当時デビュー最年長を記録しましたし(今はSnow Manの深澤辰哉さんです)、玉森さんは宮田さんと一緒に振付師さんに怒られまくっていました。
ただ2013年からの変革を経て、彼らは個人の特技が明確になっていきます(詳細は割愛)。それは強みです。個人の仕事がグループを活気づけているのです。
私は、若くしてデビューしたKing & PrinceもSexy Zoneも好きです。でもキスマイに肩入れしたくなるのは、やっぱり積み上げてきたものの重みがあるからです。輝くアイドルだって泥臭い。でもチャンスを引っ張り出して掴み取ったら、世界は大きく変わる。それを教えてくれたのは、紛れもなくKis-My-Ft2だからです。
アイドルというのは、夢を与えるだけが仕事じゃない。
自分のありのままの姿を見せて、人々を勇気づけることもまた、仕事だと思います。
舞台裏を見せたらカッコ悪い? 苦労してる姿を見せるのはダサい?
そんなことない。私は親しみを覚えます。彼らが頑張ってるから、自分も頑張ろうって思います。メンバーみんなが自分の特技を磨こうとしているから、私も諦めずに頑張ろうって励まされた経験は、一度や二度ではありません。
そしてそんな姿を言葉で、演技で、歌詞で、踊りでひたむきに伝えられる仕事は、やっぱり魅力的だと思うのです。
キスマイの7人が歩んできた10年に、感謝したい。
泥臭いアイドル像を見せて、私の価値観を変えてくれた彼らに感謝したい。
そう思っています。
ただのファンの自分語りに聞こえたらごめんなさい。笑
次回は松井玲奈さんについて、ちょっと語らせてください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます