第2話 早起きは才能
今日は、早起きについてのお話です。
私ね、夜型なんですよ。夜になるほどアドレナリン出てきちゃう人なんです。
酷い時なんて、夕方の街のチャイムで目覚めてましたからね。これを友人に言ったら大爆笑された思い出があります。笑
今でこそ午後に切り替わるスレスレみたいな所で起きていますが(朝ドラ(再放送)見るのに必死)、やっぱり朝型なんて無理。
ただ夜型ってやっぱり、社会的には不適切なんですよね。それはよーーーーーく分かってます。
てか普通に電気代かかってコスパ悪いし。よく言われるのが、「試験は朝やるんだよ」っていうお決まりのフレーズ。分かってるってば。
なので、早起きできる人は才能の塊です。目覚ましを使っているとしても、それで起きられるのならすごいです。私から見れば、バク転できるのと同じくらいすごいです。
で、今日はちょっと面白いエピソードを紹介しようかと思いまして。
これは確か、私が小学生だった頃のお話です。
私の夜型っぷりは、まだ10歳に満たない頃から発揮されていました。笑
だって、夜の方が面白いじゃない。ドラマとかバラエティーとか、たくさんやっているし。夜の街に輝くネオンはとっても魅力的だし。
まぁ学校で寝さえしなければそれでも別に良かったのですが、とうとうそんな悠長なことは言ってられない事態が襲いかかります。
——そう、塾通いです。
塾に通えば、必ずテストがついてくる。
テストは必ず朝から始まる。
今まで休日ぐーたらしてたけれど、これから休日はほぼ全てテストに持っていかれる。
従って、私は無理やり朝型人間にならなければならない。
キツかったです。とんでもなくキツかった。
なんなら、テスト解くより起きる方が普通に辛かった。マジです。
隣近所にも聞こえるくらいの「ジリリリリリリリリリリ!!!」と鳴る目覚ましを買い与えられていたものの、全く効果を示さない日もしばしば。
父が所有していた、キャラクターの目覚まし時計の力を借りることもありました。ちなみにこの時計、時間になると次のように教えてくれます。
「おはよう」(1回目)
「お・は・よ・う」(2回目)
「おー・はー・よー・うー(キレ気味)」(3回目)
「おぉぉぉぉっ! はぁぁぁぁっ! よぉぉぉぉっ! おぉぉぉぉっ! (カタカタカタカタと揺れ始める)」(4回目)
……何と恐ろしい時計なんだ。笑
まぁ大抵の人間は、どんなに寝不足でも、どんなに二日酔いでも、3回目では起きると思います。4回目まで聞く方が心臓に悪い感じするじゃないですか。
でも私、4回目聞いても布団の中って時普通にありました。なんなら布団被って防音効果狙いますよね。笑
さて、こんなぐーたらな私を見かねた両親は、ある作戦に出ます。
——それは、「新たな目覚まし時計プレゼント」作戦。
この作戦、可愛いものではありません。ただ大きな音を出す目覚ましではなく、奇をてらった目覚ましを私に与え、身ぐるみ剥がしてでも起こして朝型にしてやろうという、何ともおぞましい作戦だったのです。
クリスマスだったのか、誕生日だったのかは忘れてしまいました。
でもそうした節目の日に、両親から渡されたのです。
前代未聞の目覚ましを。
封を開けた途端、私二度見したと思います。そして思わず呟きました。
「…………え」
……だって、白い銃が入ってたんですよ?! 親が子どもにプレゼントで銃渡します?! ここ日本なんですよ?! これで誰を撃てと(不謹慎)。
ただもう1つ入っていて、それは白くて四角い箱でした。どういうこと? と思って、とりあえず取扱説明書を読み、その通りにしてみると…………。
「おぉ」
なんということでしょう。
白くて四角い箱から、薄い円が立ち上がったではありませんか。その箱の下部には、赤いライトで時刻が表示されていました。
……そう、これは「設定時刻になると射的の的が現れる」目覚まし時計だったのです! これは当時小学生の私には衝撃的。未だに強烈な思い出として残っているプレゼントです。
ベッドから離れた場所にこの四角い箱をセットし、枕元に銃を置いておきます。
そして設定時刻になると目覚まし音と共に立ち上がった的を目がけ、手元の銃で真ん中を撃てばオフになる仕組みでした。毎朝レーザー射撃。この商品作った人、天才かよ。毎朝めちゃめちゃ楽しいじゃないですか。スナイパー気分ですよこちらは。
そして、この目覚ましは絶大な効果を発揮します。
毎朝、レーザー射撃で一発かましてから起床。こんなに楽しい朝がやってくるなんて。隣近所まで聞こえる目覚ましや、父の「おはよう」連発の目覚ましが不要になりました。すごい。もはや楽しすぎて、設定時刻より前に目覚める日もあるっていう。それならそこで起きれば良いのに、幼い私は時刻が来るまで待つんです。そして、ゆっくりと的が立ち上がるのを見て、狙いを定めます。結局起床は時刻通り。笑
ですが、ある程度の月日が経って、これは使われなくなりました。
なぜだと思いますか?
——私の狙撃技術が上がってしまったからです。
慣れないうちは、寝ぼけ眼ということもあって、狙いが定まらないので、機能がオフになるまで数回撃つことになります。
ですが慣れてくると、寝たまま中心を撃てるようになるまで私は成長してしまったんです。笑 なので、的が上がったら寝転んだまま一発で当てて、二度寝。時計は見事にぶちかまされてますから、当然スヌーズ機能もオフ。
途端に私の寝起きが悪くなり、
そしてある日を境に、その時計は葬られたのでした。
今は、色んなクラシックやジャズがランダムで流れる目覚まし時計を使っています。
ジャンルは「爽やか」「ドラマチック」「楽しい」の3種類。「爽やか」は寝るので(おい)、「ドラマチック」か「楽しい」を最大音量で流すのですが、私ではなく家族が起きちゃって怒られるっていう。良い目覚ましないかなぁ。
私が朝型になれるのは、まだまだ先のようです…………。
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