第1話 私を月に連れてって

――俺はここで今、手記を書いている。

あの日、俺達の元に届いた一通の姫様からの救援依頼。

俺は止めようって思ってたのに、でもリーダーはやる気で……

でも、それが始まりだったんだ。

                    byルシェド



GM:果たして皆さんは、今回の姫君奪還をすることができるでしょうか?


全員:やってやるぜ!

ルシェド:なんで我々お姫様をさらうことになるのか気になりますね。

ラグ:うん。

ツヴァイ:まあ、義賊って言ったら姫をさらうのが仕事みたいなものですからね。

もう片手じゃあ数えられないくらいふさがってるから大丈夫ですよ。


GM:今回の片手分は開けといてくださいね?では、始めて行きたいと思います。

全員:よろしくお願いします。



GM:では……さっき言った通り、盗賊を蹴散らしてそのお金を民衆にばらまいたりしながら、あなたたちは旅を続けてるわけですが……

現在は依頼はなく、暇を持て余し「これは現在の資金が尽きる前に何か別の仕事をしなければいけないなぁ」と言ったところです。


ツヴァイ:なるほど。


GM:で、そんな中ですね。皆さんが酒場の休息室にいるんですが。

GM:NPC人間だと可哀想だな……ルードくんにしておこう。

GM:船員の人間のルード君がですね。

GM/ルード:「なんかさっきから、飼育室が騒がしいんだが誰か見てきてくれないか?」と言いに来ます。


ラグ:飼育室ってどんな感じの所なんですかね?

GM:飼育室には家畜がいますね。非常用の豚さんとかが置いてあります。

ラグ:この飛空艇の中にあるんだ。

GM:あります。

ツヴァイ:あ、飛空艇の中のことなんだ。どっかに着いているのかと思った、なるほど。



ルシェド:あ、じゃあもう下っ端根性働いて……「行きます!」って言って、ダダダッと駆け出していきます。

ツヴァイ:「行ってこい」っていう風に言っています。

ルシェド:「ウス!」

ラグ:じゃあひらひらと手を振りながら、お酒ではなくお茶を飲みつつ、どっかの取引用の手紙を書いてます。


GM:ルシェドは一人で船の飼育室の部屋に行きます。

GM:で、あなたが見つけたのは豚さんの内に入っている、妙な鳥でした。

ルシェド:なんじゃこりゃ……本当になんだ?これ。

GM:謎の生き物です。

GM:そいつがエサをついばみながら、豚さんのエサを勝手に盗ってます。豚は怒ってますね。

ルシェド:うーむ。ちょっと奇怪な目をしながらも、鳥に近づいて首ねっこ掴もうとしますが。

GM:特に判定はなくつかむ事ができます。

ルシェド:掴める……

GM:そしたら彼は口をあんぐり開けながらあなたの頭をカプって噛みます。

ルシェド:「痛っ、痛ぁ!? ちょっとちょっと……」

GM:で、なんかおいしくないなぁって顔して尻尾振ってます。

ルシェド:「おいなんだこれ」

ツヴァイ:なるほどじゃあ戻りが遅いので様子見に行って……ラグ=リードさんも一緒に行きます?

ラグ:そうだなぁ……じゃあ行くか。


GM:二人が飼育室にいくと、頭を変な生き物に噛まれているルシェド君がいます。

ツヴァイ:「おいラグ=リード、随分あの珍しい鳥がいるぞ。鳥の頭から人間の体が生えてる」

ルシェド:「馬鹿言ってねえで助けてくれよ! 普通だろ!?」

ラグ「っていうかあなた。仲間の顔ぐらいはちゃんと判別しなさいっ!」て言いながらこの鳥の方をなだめます。

ラグ:これはアレなの、普段のことだと思っていいの? それとも今回始めて?

GM:あなた達はこれを、久しぶりにか始めて見るかわかりません。

GM:この鳥は、運良く手に入れた者たちがやっとこさ飛びたたせることであなたたちの元へ届くと言われている、結構珍しい「竜鳥りゅうちょう」と呼ばれるものです。

ラグ:何か……竜鳥りゅうちょうって名前だけれど、竜語が通じるわけではないんだよね?

GM:まあ……ドラゴンのような鳥っていう。皆さん判別が難しいから、そう付けられただけですね。

ラグ:なるほど。

ラグ:じゃあ「ステイ、ステイ。この子はエサじゃないわよ。私たちの大切な労働力なんだから噛むのは辞めなさい!」

ルシェド:「そこは仲間って言ってくれよぉー……」

ラグ:「何言ってるの! 仲間は労働力よ!!」

GM:じゃあラグさんの方を向いて口をぱかって開けて…かぽかぽ。「なんかくれ」と言ってます。

GM:では、あなたたちがその鳥を見ているとですね、鳥の尻尾に印が押された手紙がくくりつけてあります。

GM:こうやって竜鳥を使って、貴方たちに依頼が届く仕組みになってるんですね。

ツヴァイ:ほう。じゃあ適当に餌のペレットをぽいっ、とあげながら……

ツヴァイ:「依頼の印だ」その尻尾に付いてる物を取りに行きます。

ツヴァイ:「喜べ諸君。労働力の使い道が見つかったぞ。……いや、あまり喜ぶべき事ではないな。これが来たということは、困っている人間がいたということなのだから」という話をします。

ラグ:「いいじゃない、それで私たちが飯食べられるんだから」という話をします。

GM:(笑)はい、では……手紙が出ますね。

ツヴァイ:読んでもいいんですよ? GM。

GM:はいはい、では読みますよ。


「拝啓、空の義賊の方々へ。

私は今、命を狙われています。

近日、二人も国家の者が敵国の魔術師に亡き者にされました。

王宮の中に信じられる者はいません。

もう、城の外にいる貴方がたに縋るしかないのです。

どうか私を助けて。貴方たちの手で私を攫いに来てください。

報酬は(キスで……と書かれているの消した跡がある)

我が家に伝わる魔剣をお渡しいたします。

合言葉を忘れずに……」


その文の横に、品の良い滑らかな筆跡で追記がしてあります。

「君が望むなら 月まで連れていこう」


ルシェド:「これまた、ロマンティックなモノが来ましたね……」

ツヴァイ:「どう思う? お姫様が夢を見て書いたものか、本当に困っているのか」

ラグ:「夢を見て書いたものなら迷惑料ぐらいふんだくれるんじゃない?」

ルシェド:「いや、でも……困ってるんすよね? 困ってるんすよねこれ。行くべき…だと思いますよ俺は」

GM:あ、一番最後のセリフにはセージ判定ができます。達成値は14です。

ラグ:じゃあセージ判定をするか。


コロコロ……【4・1=5+6 達成値11 失敗】


ラグ:えーと……目標値いくつだったっけ?

GM:14。

ラグ:14かー。これひっくり返す(運命変転する)とどうなる?

ルシェド:3の6で9だから……15になる。

ラグ:なるほどー。じゃあひっくり返しとこう!

ルシェド&ツヴァイ:判断が速い。

GM:もう使ってしまった……


ラグ:ぶっちゃけた話、戦闘中に火力出したりとかするタイプの子じゃないから、こういうところで抜きに行くんだったら全然アリなんだよね。

ラグ:それにどうせ、一日過ぎるっしょ?


GM:じゃあ……いいですかね?

ラグ:変転してやりまーす。

GM:運命変転するとこのようなことがわかります。


「『君が望むなら 月まで連れていこう』とは

【私を月に連れてって】という本の台詞である。

王子と盗賊を二つの仮面を持ち合わせる

魅惑の貴公子シヴァールに恋する、子供たちの恋愛小説。

作品としては毎回主人公の乙女が変わり、

悩める乙女のもとにシヴァールが現れ、一夜を楽しむ物語である。

(ただし、年齢的に表現はキスシーンまでのものである)

悩みに敏感な10代乙女のハートをキャッチし、粋を楽しむのが絶えないほどの大ブーム」


GM:発音としてはフランスっぽい発音のシ↓ヴァ~↑↑ル。

ツヴァイ:なんで今そう言ったの!!?

ルシェド:そこだけネットリしてますね……

GM:シ↓ヴァ~↑↑ル。シヴァ↑ール↓は正しくないんですよ。

GM:ということがわかりました。あと地図も入ってますね。


ルシェド:「いやぁ……たまたまだと思いますけどね、さすがに出来過ぎじゃないっすか? 小説とかのお話に現実持ち出すのも悪いと思うんすけど……」

ツヴァイ:「いいや、出来すぎではないぞ? ルシェド」

ルシェド:「えっ」

ツヴァイ:「どうやらこのお嬢さんは私たちの熱心なファンのようだ……

この船の名前が『ムーンライトマイル号』だと知って手紙を出したらしい」

ラグ:うちらの船そんな名前だったんか。初耳だわ。

一同:(笑)

GM:はい、ここで唐突に飛空艇の名前が決まりましたね。ムーンライトマイル号です。

ツヴァイ:オシャンティー。


ラグ:「ツヴァイ、念のために聞くんだけど……この命名って先代のやつ?それともあなた?」って訊いておきますね。

ツヴァイ「先代のやつは義賊号というつまらん名前だから変えてやった」と言いますね。

ラグ:眉毛を寄せながら「やっぱりか」みたいな顔をしてます。

ルシェド:「いーじゃないすか義賊号ー」

ツヴァイ:ちょっと前は、『夜明けの推進号』とかそんな名前だった気もします。

ラグ:それを聞いてルシェドの肩をポン、と後ろから叩いて首を横に振ります。

ルシェド:「ダメっすかー……」

ラグ:「しょうがないのよ……先代の見る目がなかったって思うわ私は……まあ大丈夫大丈夫!前に出て相手をぶん殴る能力だけは、私は評価してるわよ」

ルシェド:「もうちょっと評価できるとこあると思いますよ」


――俺はこの後、リーダーをフォローした……したんだけど何故か、俺が勉強するように話がすり替わってしまった……トホホ。byルシェド

――頑張って(圧)byラグ


ツヴァイ:じゃあ二人が俺の話をして、行動が起きないのを見て

「おいルシェド、何をしている。一国の姫から招待状が届いたのだぞ。それなりの返礼の用意をしなければな」

ルシェド:「い、イエッサー! ……あのぅ、なにが要りますかね?オレ手紙やったことなくて……」

ツヴァイ:「何を言っている。お前のこころに手紙を届けるのに丁度いいものがあるだろう」

ラグ:おっ。

ルシェド:「おー……貴族というか、本当に小説みたいなことするんすね……」

ツヴァイ:「伊達と酔狂を世の人に見せねば、この船の意義が失われるのでな」という話をします。

ルシェド「最近、ラグ姉さんが敵ぶん殴ったりするのしか見てなかったんで……」

ラグ:「私は人をぶん殴ったりしないわよ」

ルシェド:「……えっ、マジっすか?」

ラグ:「マジよ?」

ルシェド:「マジすか?」

ラグ:「そこになぜ疑問が湧くのか、私にはわからない」

ルシェド:「いやっ、その、失礼しました!」


――怒ったラグねえさんは……ヤバイ。byルシェド


ラグ:「殴るのはリーダーの仕事でしょう?大抵のことは彼に押し付けてしまえばいいのよ」って言ってツヴァイのとこを指さしておきます。

ツヴァイ:そんな二人の横で、ツヴァイさんは辺りにいる船員にですね

「さあ出発の準備だ! 月の道の方向へ舵を向けろ!」って言っています。

GM/船員グララン:「イエッサー! 月の方向ですね!」と言って、船を上の方に傾けようとしてます。

ツヴァイ:「うむ」

GM:だんだん斜めになっていってますけど。

ルシェド:落ちる落ちる落ちる……

ラグ:空中浮遊の魔法使います。

ツヴァイ:「成程……詩的な表現だな、これは月に向かって落ちていると言えるな。なかなか嬉しいことを言うではないか」

ルシェド:「これは自由落下って言うんスよ!!」

ラグ:じゃあ《ウイングフライヤー》使いまーす。ついでにルシェドにもかけとくね。

GM:みなさんはガラクタが一気に横に転倒していくのを眺めることができるでしょう。そしてラグさんとルシェドさんだけが浮いてます。

ツヴァイ:「ちょうどいい。姫をご招待差し上げるスペースができたな」

ルシェド:「片づけるのオレなんスよコレ……!」

ラグ:「頑張って♪」という話をにこやかにしておきますね。


GM:ええっと、この収拾は、人間のルードさんがやってくれたに違いありません。

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