第13話 謎の場所

「そんじゃあ、行ってくるからな!」


「大人しくしてるのよ!」


「はーい!」


「なのじゃ!」


 二人は子供たちを置いて、火山へと向かう。


「ねぇねぇ、魔王ちゃん」


「ん?」


 ブレサル、なにか企んでいるな。


――――――――――――――――――――


「あち〜」


「うへぇ〜」


「こんなに暑かったっけ?」


「え〜?」


 登れば登るほど、暑くなっていく。

 それに加え、登山は疲れる。

 シャロールはもうフラフラだ。


「おい、大丈夫か?」


「もうダメかも」


「おっと!」


 佐藤は倒れかけたシャロールを支える。


「こうなったら、裏技使うか」


「ほえ?」


 裏技って?


「暑さを感じない!」


 なるほど。

 そういうことか。


「あ……」


 シャロールの顔色が多少良くなった。


「これでいつもどおりになっただろ?」


「うん……」


「ほら、回復ポーション飲めよ」

「もうちょっとだから、頑張ろう」


「ありがとう……」


――――――――――――――――――――


「ファイウルと会ったのは、この辺だよな」


 洞窟に入った二人。


「うん、たぶん」


「この奥には、マグマがあって……」


 そうそう。

 崖になっていたよね。


「あれ?」


「こんなもの、あった?」


 洞窟の奥は行き止まり……ではなく巨大な門が現れた。

 モンスターの声で開く門はすでに通ったので、これはまた別の門。


「これ、少し開いてないか?」


「あ、ホントだ」


 ほんの少し、隙間がある。

 そこから赤々とした光が漏れている。


「いいか、シャロール」

「絶対に手を離すなよ」


「佐藤……」


 二人はぎゅっと手を握る。

 そして、佐藤が門を開ける。


「うおっ!」


 突如として、風が奥から吹き抜けてきた。


「きゃあー!」


 二人は飛ばされないように、地面に踏ん張る。

 しばらくすると、風が収まった。

 目を開ける二人。


「なんだこれ……」


「すごい……」


 扉の先には、見たこともない景色が広がっていた。

 まるで別世界かのような。


「ついてきてくれるか、シャロール?」


「もちろん!」


 二人は足並みを揃え、紅の大地に足を踏み入れる。空の黒雲が、不気味な想像を掻き立てるのだった。

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