第6話 豆狸、従兄に相談する
夜が明ける頃…豆狸は、ようやく従兄の
従兄の
『お~い!
満月屋の
『おぉ満月屋の…久しぶりじゃのぅ。
祭りの時期でも無いのに、急にどうした?』
『実は…ワシの巣穴が、人間に壊されてしまってのぅ。
新しい巣穴を探しに来たんじゃ…… 』
しょんぼりした
『なんだって!?誰がそんな事を!?』
『壊したのは【満月屋】の新しい当主じゃ…… 』
するとそれを聞いた
『この辺りで
昔はワシらが居るだけで、ありがたがられたのにのぅ…… 』
巣穴の前でため息を吐く
『もうすぐ夜も明ける。とりあえず、ワシの巣穴に入ろう。
疲れているじゃろうから、詳しい話しはひと眠りしてからにしよう。』
『すまんのぅ……
コレは土産の甘い柿じゃ。』
『こりゃあ美味しそうじゃのぅ。
それじゃあコレを食べてからひと眠りしよう。』
その日の夕方までゆっくり眠った
『
『そうじゃな…ここから少し東の方に行った所に、新しい宿屋ができたんじゃが、そこはどうじゃろう?』
『新しい宿屋?』
『宿屋を始めたのは、若い夫婦もんでの…奥さんの方は昔この辺りに住んどった。
場所は、昔ブドウ畑のあった場所の近くじゃ。』
『ブドウ畑か…懐かしいのぅ。
アレは、なかなか美味いブドウじゃったな。』
2匹で行っては、はしの方に成っている実を、少しばかり神通力で落として食べたものでした。
それを想像したら、またヨダレが出てきてしまいました。
従兄の話しによれば、そのブドウ畑もとうに無くなり、その近くに人間達の集落ができたそうだ。
『その集落の中に新しい宿屋ができた。
お前さんの元の巣穴の近くの酒蔵に、昔からある白い洋館があるじゃろう。
あんなのが建っとる。』
その白い洋館は昔、酒蔵の当主が建てた物で、今でもたくさんの人間が見に来るのです。
毎年行なわれる【名物の酒を盛り上げる祭り】の時には、町中が酒の香りに包まれ…その辺りもたくさんの人であふれます。
『
と悩む
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