☆3800突破感謝記念SS  闇の聖女と金色の力

オハナさんから貰った金色に輝くハンマー(杖)。

ダンジョンの皆さんと違って進化というものが無く、今一つ強さに伸び悩んでいた私を見かねたのか、オハナさんから贈られた物………とても高価な物みたいですし絶対失くさないように大切にしよう。


今はまだ装備出来ませんけれど、つまりコレを私に贈ったという事はオハナさんは私がコレを振り回す姿を望んでいるという事!!(※違います)




それから私は〖筋力〗増強の為レベルアップに励む日々が始まりました。

どう強くなっていこうかという方向性に悩んでいたので、ステータスに振り分けられるポイントを極力使わずに貯めていました。

今回それらを全て〖筋力〗に振り込んだことで、ハンマー(杖)を装備できる〖筋力〗まであと少しとなっていました。

オハナさんのダンジョンは相変わらず大盛況な事もあって、レベル上げには困りません。

ダンジョンの皆さんや眷属ちゃんたちの協力もあり、遂にその時がやって来ました。


「ふぅ………」


〖筋力〗にポイントを振り分けて、装備できる条件を満たしました。

目の前には金色のハンマー(杖)。

オハナさん、ダンジョンの皆さん、眷属ちゃんたちが固唾を呑んで見守ってくれる中、私はハンマー(杖)に手を掛けます。

腕に伝わってくるずっしりとした重み、けどそれも両手で支える様に持つことで幾らか軽減されたので試しに振ってみると――――――。


ブォォォン――――――。


重量感を感じさせる音がしてびっくりしました。

けれどそれで体勢を崩すということもなく、何度も振ってみて問題なく使えるのが確認できると、


「早速実戦に行きましょう!」


オハナさんの蔓に巻き取られる形でダンジョンへと連れて行かれるのでした。

金色ハンマー(杖)を持つ私を軽々と持ち上げて運ぶオハナさんの〖筋力〗って………?

そういえば重そうな2号ちゃんや5号ちゃんも軽々と蔓で持ち上げたり、放り投げたりしてますし………オハナさんと言えば遠距離攻撃ってイメージがありますけど、実は近接戦も普通に強いのでは………?


そんな疑問は自分の事のように喜んでくれるオハナさんの笑顔の前には些細な事でした。


「オハナさん、ダンジョン内を移動してたらまたサンガちゃんに叱られちゃいますよ?」

「些事です。些事。今はプリムさん(浪漫武装)の御披露目より大事な事なんてありませんもの!」

「もぅ………後で一緒に叱られましょうね」

「それは是非ともお願いします!プリムさんが一緒なら怖いものなしです!」


無邪気に、それでいて可愛らしい笑顔のオハナさんにつられて、気が付けば私も笑っていました。

悩んでいたのが嘘みたいに今はとても楽しくて、一緒に居て心強いのは私も同じなんですよ?




























「まったく………嬉しいのは解りますが、あまりやり過ぎないようにしてもらいたいですね」

「まぁそう言うなよ」

「そうですよ。今日くらいは大目に見てあげて?」


ブツブツ呟くサンガを宥めるコテツとワヲ。


「何してるのアンタたち!お母さまを追うわよっ!!」

「面白そうだから自分もついて行くっス!」

「わ、私も行きます!」


眷属全員を引き連れてオハナを追おうとする3号、それに続くカナきちとホタル。

プリムが悩んでいたのを察していただけに、何だかんだ皆一様に嬉しそうなのだった。

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