☆3700突破感謝記念SS   オハナ・MAXパワー!!

サーチェとカーマインの説得もあって、オハナダンジョン村へは全員が来てくれることになった。

とりあえず一度こちらに来てもらって、心も体も疲れ切っている彼らの一時的な避難場所にでもなれれば良いと思う。

疲れが取れた時、そのままオハナダンジョン村に住み続けるか、新たな土地へと移るか決めれば良いもんね。


少なくともこの場所が彼らにとって良い場所とは言えないんだから。


その様子を一歩引いたところから眺めて、それっぽくうんうん頷いていると、7号がテケテケと駆け寄って来てオハナの足を引っ張って何処かに連れて行こうとしてくる。


「7号?どうしたの?」


3号が居ないので言葉は解らないけれど、7号に引かれるままに外に出る事にする。

あぁでもその前に――――――。


「サーチェ、カーマイン、クロードは此処で彼らを護衛してあげて、一応蔓で覆ってるから敵もちょっとやそっとじゃ入ってくれないだろうけど」

「くぅっ!オハナ様の活躍を!その伝説の一端をこの目に焼き付けることが出来ないなんて!」


うん。相変わらず気持ち悪いけどオハナの言う事に従ってくれるのなら、もう何も言わんよ。




そうして7号の案内で外に出ると――――――。


「全てはお母さまの為に!!!」


………瓦礫の上で眷属たちを先導する3号が居た。


「3号、ちょっとこっちおいで」

「!!!?お母さま!?今参ります!!――――――お母さま~♡」


建物の破壊音だとか、戦闘音だとか、断末魔だとか響き渡っているというのに、3号は何故かオハナの声に素早く反応して良い顔で駆け寄ってきたので、


「何やってるのかな?」

「痛いですお母さまぁ!!!頭が、頭が潰れちゃいましゅぅぅぅぅぅ」


頭を鷲掴みにしてギリギリと締め上げた。

まったく………クロードと言いどうしてちょっと嬉しそうなんだか、


「私、此処までやれって言いましたか?」

「お母さまに歯向かおうとする者たちなんて、この世界に存在する価値もありません!!」


世界はそこまで狭量じゃないと思うの。

3号の言い分に他の眷属たちも頷いちゃってるし。


「反省の色なし………仕方ありませんね」

「お母さま、何を――――――!?」


例えそれが眷属たちの総意と言えども、率先してそれを煽っていた3号には他の眷属たちの見せしめの意味も込めて厳しく対応しないとね。


「大丈夫。ただのデコピンだから♪」

「お母さまッ!?これは私の知るデコピンではありませんが!?」


3号のおでこの前にはオハナの蔓で作り上げたデコピン装置――――――とか言っても原理は指でするのと一緒で、蔓の一本でもう一本をしならせてグッと力を溜めるイメージ。

うん?何だか力を溜めてる部分が段々と光を帯びていってるような………気のせいだよね。


「お母さま!?いけません!お母さまのフルチャージは――――――」

「成 敗♪」


瞬間、雷でも直撃したかのような音が3号のおでこから響き渡り、その勢いで吹き飛ばされた3号は某有名なかませ役のような姿で横たわっていた。

白目をむいて倒れてる3号のおでこからはプスプスと煙が上がり、他の眷属たちがドン引きしているのが分かった。

オハナとしてはビビらせるだけビビらせといて、最後には「メッだぞ?」的な感じにしようと思ってたんだけど、オハナの想定よりも威力が出ちゃったわ。


「ま、まぁとにかく知らせてくれてありがとね7号?早めに3号を止められて良かったわ」


気を取り直してそう言うと、7号は「違うっての」と否定するように手を振っていた。

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