☆2400突破感謝記念SS    獣戦士、未知なる強敵との戦いを望む

〖オハナ〗さんが、〖勇往騎士団〗のレオを捕縛しました。


――――――はぁ?


マップ中央にある広大な平原地帯、二日目はそこで暴れていた俺は突然の報せに加減をミスって全力で拳を相手にぶち込んじまった。

吹っ飛んでいく相手プレイヤーが他の奴らも巻き込んでその直線上だけ立ってるやつが誰も居なく――――――んなことはどうでもいい!!


オハナが〖勇往騎士団〗のNPCを捕縛しただと!?


アイツ……………また俺に黙って楽しそうな戦場に居やがるな…………。

俺だってまだ連中とはやりあったことが無いってのに――――――。

自然と拳に力が篭る。

俺は見える敵を手当たり次第に殴り飛ばしていった。

〖勇往騎士団〗つっても討伐数のカウントは一人しか増えねぇ、けど――――――。


羨ましいじゃねぇか!!!!


まだ誰も対戦してねぇ未知の強敵だぞ!?

それをオハナは初見で倒しちまったってことだ。

くぅーーーーーーーっ!!俺も見たかったぁ!!!!

対戦カードを聞いただけで熱いバトルのニオイがプンプンするじゃねぇか!!


でも待てよ?

勇往ってことは、相手は一人じゃなく複数人の可能性がある。

じゃあ今から行けば俺も〖勇往騎士団〗と戦えるんじゃね?


「「「「「「アウグスタ!!覚悟ぉ!!」」」」」」


「うっせぇ!!邪魔すんじゃねぇ!!!!ぶっ殺すぞ!!」


チッ!こういう時に限って敵がわらわら向かって来やがる。

そいつらを殴り飛ばすが違うプレイヤーが壁のように立ちはだかる。

くっそ!うぜぇ!俺は早くオハナのところに行って〖勇往騎士団〗と戦わなきゃいけねぇんだよ!!


〖オハナ〗さんが、〖勇往騎士団〗のビーンを捕縛しました。


ほら見ろ!!

お前らが邪魔するからオハナが一人殺っちまったじゃねぇか!!

あと何人居るのか知らねぇが急がねぇと、オハナと対峙して戦力が落ちていけば撃破されるスピードも上がるはずだ。

オハナが自分の前に来た獲物をむざむざ逃がすとも思えねぇ、早く行かねぇと〖勇往騎士団〗が皆殺しにされちまう!!


「囲めぇ!!相手は範囲攻撃の心配もない、このまま囲んで削っていくぞ!!」


畜生ッ!!囲まれたッ!?

前後左右から容赦なく攻撃されてガンガン減っていく俺のHP――――――。

くそっ!一人二人に反撃できてもそれ以上となるとさすがにキツイ、こいつらをまとめて片づけられるスキルが俺に在ったなら――――――。


スキル『餓狼の闘気:C』を習得しました。

スキル『餓狼の闘気:纏』を発動します。


そんなメッセージが来た瞬間から、俺の身体に纏わりつくような水色の煙のようなものが現れた。

それを見て囲ってた連中が一瞬怯む。


急にスキルが目覚めるとは聞いちゃいたが、まさか本当に来るとはな。

んで?このスキルは俺のこの窮地を脱することが出来るもんなのかよ?


〖餓狼の闘気:C〗

ワーウルフ一族に伝わる古武術の奥義の一つ。

〖纏〗で全身に闘気を纏わせ、〖爪〗で闘気を一か所に集中させて打撃の威力を上げることが可能、〖牙〗で自分を中心とした全方位に纏った闘気を放ち攻撃する。

スキルレベルの上昇と共に奥義が解放されていく。

但し、どのスキルもまずは〖纏〗から始めなければならない。

〖纏〗の時間経過によって威力も上がっていく。



なるほどな。

必ず〖纏〗からって制約はあるが、待ってたぜぇ…………範囲攻撃さんよぉ!!


水色の煙――――――これが闘気か、その色が時間を追うごとにその色を濃くしていく。

最初だからな!!盛大にぶっ放してやるぜ!!



スキル〖餓狼の闘気:牙〗を発動します。


俺に纏わりつくように揺蕩たゆたっていた闘気が、突然枷を外されたかのように無軌道に俺から解き放たれる。

怯んでから様子見をしていた連中はその『牙』となった闘気によって切り刻まれていた。


すげぇ…………便利じゃねぇか!!

これならもう囲まれても敵の一人を捕まえてジャイアントスイングする必要も無ぇ!!

――――――そうだ!!感動は後だ。

今は急いでオハナのところに向かわねぇと――――――。


〖オハナ〗さんが、〖勇往騎士団〗のサーチェを捕縛しました。


アイツ…………三人も殺りやがった。

いや…………メッセージの履歴を辿ったら五人目だった…………。

しかももうすぐイベント開催時刻が終わっちまうしよぉ。


畜生ッ!!次こそは絶対に〖勇往騎士団〗と勝負してみせるからな!!

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