☆2300突破感謝記念SS オハナのアイテムボックスに謎アイテムが増えた訳
これはまだオハナが聖域に生えていて、眷属が1号、2号、3号だけだった頃の話。
1号、2号はマンドラゴラZ、3号はメルバイトの頃です。
移動の出来ない
1号と2号が元気にオハナに向けて手を振ると、オハナも蔓を振って応える。
それが二人にはとても嬉しくて何度も何度も振り返っては手を振り、時にはジャンプして両手を振る。
それを何度も繰り返していると、嫉妬した3号の種が二人に向けて放たれて、1号と2号は急いでその場を後にする――――――それが日課となっていた。
二人にとって聖域とはオハナの縄張りという認識だった。
それ故二人が揃って聖域に出るのをオハナは『散歩』だと認識していたが、二人にとってはあくまでもオハナの縄張りの『パトロール』なのだった。
そして自分たちがオハナの縄張りの管理に一役買っているのだと思えば、自然と誇らしくもあった。
オハナに付与してもらった〖毒ダメージフィールド〗を最大限に活用して、聖鋼蝶の群生地に突撃し、先に数を間引いておくことで人間プレイヤーにレア素材が渡らないようにしたり。
オハナの怨敵であるホーリートードは見つけ次第駆除対象、一匹残らず駆逐していく。
「「♡」」
その際にドロップしたアイテムは二人が全て残さず回収する。
アイテム=価値在るもの――――――という認識も二人は既に持っていた。
それは聖域に訪れる人間プレイヤーたちの様子を見て学んだ。
彼らは素材のドロップに一喜一憂し、よりレアな物ほど喜びが大きいという事も見て、把握していた。
人間プレイヤーがあれほど喜ぶ物であれば、それはきっと二人の主人であるオハナも喜ぶ物に違いない!!
――――――そうした考えから、二人はアイテムを見つけ次第拾っていくのだ。
ただレア度などは解らない為、二人は本当に手当たり次第に何でも回収した。
〖聖鋼蝶の羽〗がレア素材である事は人間プレイヤーたちの反応から学び知っていたので、聖鋼蝶から出たアイテムは必ず回収するようにしていた。
「「♡」」
アイテムを拾ってはぴょんぴょんと跳ねて喜びを表現する二人。
オハナの為に経験値を稼ぐのと同時にアイテムの回収も彼らの『仕事』となっていた。
1号と2号が『仕事』を終え、誇らしさを胸に戻ると、オハナは二人の頭を蔓で優しく撫でた。
「「♡♡♡♡♡」」
先ほどまでとは比べ物にならないほど喜びを表現する二人。
アイテム回収、経験値を稼ぐといった献身による喜びよりも、やはりこっちの方が嬉しいようだ。
3号が羨ましそうにしていたが、こればかりは二人の『仕事』に対する報酬なので最初から譲る気は無いのだった。
こうして、1号と2号の手によってオハナのアイテムボックスには、おおよそ聖域で集められるアイテムのほぼ全てが収納されるという異様なアイテムボックスとなってしまったのだった。
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