第22話 霞花子
けたたましく鳴る目覚まし時計を気だるげな気持ちで軽くボタンを叩く。
月曜日時刻は6時半だ。
布団から這い出て、軽く伸びをしようかと思っていたが、身体が動かないことに一瞬疑問になる。
「おいおい昴、起きろ」
「ぅうぅん……」
俺の腕に抱き着く形で、水玉模様の青いパジャマ姿のウトウトしている妹の頬を軽くピシピシ叩くと、嫌そうに呻く。
「おい、学校」
「うぅぅぅうまぅうまうま……」
何か腹立つ寝言だなと、更にペシペシ頬を軽く叩く。
「うっしゃー!!──あれ?」
一体何の夢を見ていたのか、満面の笑顔で起き上がる昴。
しかも口元からヨダレ垂れてるからと、自分のパジャマの裾で拭う。
「(゜Д゜)」
「いや、待てよ?それは俺だからな?」
如何にも何で自分の寝室に居るの?って顔されてもここは俺のベッドだからな?──一瞬あれ?ってなったけどだよな?
「今日、学校だろ」
「あーそうだったね……あー、ダル。誰か私を養ってくれる人居ないかなー。具体的には週5日間ぐうたら出来る環境」
「それヒモじゃねぇかよ!」
「いやいや後の2日は、全身全力の、本気出すし!かなり尽くすし!」
「ないわー、自分の妹でもないわ……」
「はいはい、そんなこと言ってる暇あるなら動きましょうね」
「おい、何で如何にも俺が発言したみたいな形で話を流す」
聞いてないのか大きなあくびをしている昴はそのまま布団から這い出でる。
「おぉおぃ!!」
「なに?」
「身体に毛布巻いたまま下に降りるなよ!?」
「えぇ、寒いじゃん……下に行ったら返すよ」
「それって俺が下から上に持ち帰れってことかよ!?面倒くせぇぇ!?」
「……お願いお兄ちゃん!」
「なに真顔でこれから大変なんだって顔するんだよ!!ぇえ!?」
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