第二章
第16話 俺は
翌日の日曜日。
俺はベットの上でむにゃむにゃしていると窓から叩く音が聞こえ、目が覚める。
時刻は8時半頃。
風呂に入ってから夜11時まで自分の描いた絵と漫画を見ていていつの間にか寝落ちしていた俺は、面倒臭い反面、杏の様子を気になり始めていた。
そしてどうにも落ち着かない心境で寝惚けたまま頭を回した。
どんな顔で杏と顔を合わせればいいのか。
その疑問が思い浮かぶ。
「何だ?」
気まずいのと前向きなのが半々な状態で正方形の窓を内側から開くと、そこには箒の取っ手部分で窓を小突いていた菫ちゃん。
杏だと思っていた俺。
言葉を失った両者の無言の見つめ合いが1分ほどしたところで、口火を切ったのは菫ちゃんだった。
「いや、あのね」
普段らしくない言葉と戸惑いを感じられる言葉に、心配になった俺。
菫ちゃんは白いシルクのパジャマ姿で俺も藍色のパジャマ。
寝起きか、もしくは部屋着の姿の菫ちゃんは少し戸惑いながらも杏の話をし始めた。
今日はどうやら朝から用事があると言い、今朝方出ていった。
だから、俺に時雨崎家でお茶でも誘うつもりだったと杏の部屋で箒トントンらしい。
何故、パジャマ姿なの?って突っ込み満載な姿に振らず素直に頷き、速攻で身支度を始めた。
黒い長袖、黒いジーパンのダザダサファッションと言われても否定出来ない服装で顔洗いを済ませ、時雨崎家へ。
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