第2話 ムノウ力者

第二話

「ムノウ力者」

「ピロン4あなたはNo.0ムノウ力者です」

これが表示されたのは、もう五年も前の事だ。

世界で初の一 《ムノウ力者》要するに何も

できない。

俺は進藤夢応18歳(しんどう むの

う)今ではただのニートだ。

学校ではいじめられている。理由は言わな

くても分かる。

俺はこれでもニートライフに満足していた。

が、今日でこの生活ともオサラバだ。

父と母が死んだ。理由は《能力取り》だ。

《No.98能力取り》その名の通り、服従させ

たまたは殺した相手の能力を奪う。なんと

も残酷な能力だ。

父は 《No.2炎術士》母は 《No.3水術

士》それなりの強さをもつ両親だった。が俺

が無能だったから父と母を守ってやれなかっ

た。

怒りを胸にナイフを首に思い切り刺そうと

した」

「ピロント能力が発動しました。対象の破壊

を行います。」

するとナイフが音を立てて粉々になった。

「は…?」

慌てて俺はステータスを確認した。今まで

自分の能力が嫌いで一度も見たことのなかっ

たそのステータスは俺を驚愕させるものだっ

た。

《No.0ムノウ力》:ステータス 殺意害

意敵意を向けたもの命の侵害自己を危

険にさらす対象の無力化

そう、俺は無能なんかではなかった。能力

を無効化する。

ムノウ力者だったのだ。

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