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「全く、お前等は次から次へと問題を持って来やがって。こっちは、糞忙しいってのに!!」


悪態をつきながら、黒部は車を走らせていた。


誰も足がない為、黒部を呼び出したのだ。


「済まないな」


「まぁ、仕方ないか……」


諦めた様に黒部は呟いた。


「俺からも、アンタに一つお願いが在るんやけど、良いか?」


助手席に座るエコーが黒部に言った。


「何だ?」


「アンタに、勝負の立会人になって貰いたいんや」


「其れは構わんが、勝負は何で決めるんだ?」


「其れは、着いてから決める」


「だったら、勝負の方法は此方から提案してやる。二人共、其れで良いか?」


「私は構わない」


先に答えたのは、クリスの方だった。


エコーは暫く考えてから、納得したのか答える。


「俺も其れで構わん」


俺にはエコーが怒りの余り、冷静さを欠いている様に思えた。幸い今回の勝負に、エコーの命は賭けられていない。正直、エコーには負けて欲しいと思っている。


エコーは大事な仲間だったが、クリスも又、大切な友人であった。俺の隣りで俯く百合の体が少し震えている。彼女も不安なのだろう。俺はそっと、百合の手を握った。


「勝負の場所は、アゲハの研究施設で構わないだろう?」


「あぁ。場所は、何処でも構わん」

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