貯金箱

第1話

今、私の膝枕で彼が寝ている。

気持ちよさそうだ。

私は、彼の頭を撫でる。

とても、かわいいと思う。

彼との出会いはいつだろう・・・

気が付いたら、付き合っていた。

恋人とは、得てしてそういう物かもしれない。

彼は本当に優しい。

どうしてそこまで、私に優しくしてくれるのか？

不思議だ。

私は彼に、優しくしてあげているだろうか？

そういえば、何もしていないように思う。

周りは、彼は私にはふさわしくない。

もっと、かっこいい彼を作れという。

でも、それは違う。

彼の方が、私なんかよりも、素敵な女性がふさわしいのだ。

でも、それが互いを成長させるのに、丁度いいかもしれない。

このまま、彼と結婚して、子供を生んで、家庭を築いて・・・

素敵に歳を重ねたい。

「・・・くん、私も負けないからね・・・」

そして、最後には心の貯金箱には、幸せがたまっていることを・・・