5月の雨

愛に飢え、愛を探しては

架空の物語に愛の輪郭を見て

心の空白に飲み込まれていく


昨日と今日の狭間で聞く雨の音が

冷気を届けて

足元から凍り付いていく

立ち上がれないのは凍えた足のせい


真っ黒なのか真っ白なのか

分からない胸の奥に何かが落ち込んでいく様は

まるで


まるで

すべてが落ちていく滝つぼのような

世界のおわり


自分の中の宇宙の終わり


何を見て

何を感じて

どう動けばいいのだろう


分からないまま

雨音を聞いている


声に出す言葉もなく、

手も足も視線さえも動き始めることもなく


雨粒が落ちるように心が落ちていく

どこまでも

どこまでも

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