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「けど、師匠。あんな安請け合いなんかして、どうやって探すんすか?」
「宛ては在る。まずは、ニコニコ金融に行くで」
俺の勘やと、あそこの社長は顔が利く。裏事情は裏世界でこそ出回る。
蛇の道は蛇っちゅう奴や。
「借金、返したのに又、あそこに行くんすか……?」
どうやら、八代は気が進まん様やった。
多分、田辺に会いたくないんやろう。
「もう夕方だし、明日の朝一じゃ駄目なんすか?」
「アカン。思い立ったが吉日っちゅうやろ?」
「え〜……どういう意味っすかぁ?」
アホやな。
まぁ、何でも良い。
「つべこべ言うとらんと、早よ行くで!」
渋々、ついてくる八代。
「ところで、師匠。一二三ちゃん、ホテルに一人で置いて来て、大丈夫なんすか?」
「一二三はお前よりも賢いから、心配いらん。其れに夜に、赤の他人が女の子連れ回して、ポリ公に捕まってみぃ。下手したら、女児誘拐で逮捕やぞ」
そんな事になったら、洒落にならん。
「其れは、不味いッす!」
「せやろ。解ったら、さっさと歩け!」
「はいっ!」
相変わらず、素直な奴っちゃで。
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