「今日の昼間、狐を見たぞ」

 家に帰ってきたら、じいちゃんからそんな報告が。

「切長の目で、尻尾はふさふさだったな」

 ちょっぴり嬉しそうにじいちゃんは話します。

 なんでも、狐を見たのは初めてだとか!


 ウチの近所、多様な野鳥をはじめ野生動物がしばしば現れますが、狐はレアです。

 私も見たのは一度きり(何故かじいちゃんより先に見ていた)。

 カモシカも一度だけなので、それと同じ位遭遇率の低い動物です。

 遭遇率: 熊<カモシカ<狐<猪<イタチ<狸

 って感じでしょうか。あ、熊に遭った事は無いです。

 

 しかし、一昔前よりも動物がむらの中に現るようになったと聞きます。

 これはどういう環境の変化なんだろう。境界線が曖昧になってきているのかなぁ。里山が無くなってきた影響か? などと考えてしまいます。


「珍しいから、目を合わせてジッと観察しちゃったよ。そして、コンコンコン、コーン! って言ってみた」

 楽そうに話すじいちゃん。

「え、それで狐はどうしたの?」

「逃げてった……」

「そりゃそうだろうね……」

 狐はさぞびっくりしたことでしょう。

 会話できなかった〜 と笑うじいちゃん。

 何やってるんだか💧

 ちょっぴり天然な、じいちゃんでした。

 


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