第6話

それからはがむしゃらに勉強した。


「高校生」という、大人に憧れて。


小学生の頃は中学生が大人に見えた。


制服をまとっているその姿はキラキラしていた。


自分も制服を着れば、あの「中学生」になれるんだ!と。


初めて制服を着た日はなんだか世界が違って見えた。


しかし、中学生になれば「高校生」が輝きだす。


まるで影のように、

追いかけても追いかけても

自分ではその姿を掴めないとは知らずに。




無事に高校に合格した。


中学に入るときに無理やり入会させられた英会話教室を、高校になってどうするか母親に聞かれた。


間髪を入れず


「続ける」


そう告げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る