前提(だれに書くか)

作品の読み手はだれか

1.万人に読まれている作品を挙げてみよ


 万人に読まれている作品などはないし、それを目指すべきでもない。

 読み手を絞り、彼らが求める内容で書くのがよい。

 逆に言えば、自分の内容に興味を持ってくれるであろう読み手に、自分の存在をアピールする必要がある。他人に読まれたいのならば。



2.だれに向けて書くか


 書くうえで、意識する対象になる読み手をあげる。

 ①作者自身

 ②同じしゅこう・同世代

 ③人気ジャンルの読み手

 以下、この三つの対象について説明する。



3.自分に向けて書く


 ほかの読み手を意識せずに、好きなように書けば書くほど、読まれなくなるのが創作の基本だ。

 もちろん、才能のある者は別である。

 しかし、それだけの才能を持つ者はプロでも少数だ。

 プロでも、いやプロだからこそ、自分の趣味嗜好を曲げて、想定される読み手のニーズに合わせた文章を書かなければならない。生活の糧を得るために。


 一般の書き手が自分の好みのままに作品を書いて、カクヨムで公開をすれば、最悪の場合、最後までだれも読んでくれないことはざらだ。

 もちろん、興味を持ってくれる読み手が現れることはある。

 しかし、自作をアピールする努力を重ねたとしても、基本的にその数は限られる。

 それに満足できるのならば、なにも変える必要はない。



4.同じ趣味嗜好・同世代に向けて書く


 趣味嗜好が同じ、世代が同じ。

 つまり、自分とつながりのある読み手に対して書く。

 カクヨムに公開する場合、これがおそらく、いちばん楽しい書き方だろう。

 趣味嗜好や世代の同じ人が読んでくれそうな文章を公開し、読み手の反応を見て修正する。それを繰り返すなかで、自然と読んでくれる人は一定数に達する。

 ひとつの趣味嗜好にこだわる必要はないので、自分の中にある引き出しごとに、読み手へ作品を提供すればいい。

 この書き方の利点は、読み手と書き手で、物事に対するセンスや見聞きして来たものに共通する部分があるため、文章に不足があっても、書き手の意図を読み手が汲み取ってくれやすいところだ。

 しかし、この類は友を呼ぶ的なやりかたでは、読み手の多い趣味嗜好を扱わなければ、読者に限りが生じる。それで問題がなければ構わないが、満足ができなければ、別の手を考える必要がある。



5.人気ジャンルの読み手に向けて書く


 とにかく多くの人に読んでもらいたい場合は、読み手の多い人気ジャンルで勝負をするのが手っ取り早い。

 しかし、そのジャンルがもともと好きな場合は別だが、そうでない場合は、三つの苦労が生じる。

 ①好きではないジャンルの人気作を一通り読まなければならない

 ②書くことは手段に過ぎないので作業に苦痛がともなう。書く喜びがない

 ③人気作から半歩進んだ作品を書かなければならない



6.まとめ


 基本的に、書きたいものを追及する行為と読者の数は反比例の関係にある。

 書く楽しみを追えば、読み手はついて来ない。

 読み手の数を追えば、書く楽しみが減じていく。書くことは手段になる。


 書く喜びと読者を得るバランスを意識しながら、書く内容を決めていこう。



⇒ 次回は「自己アピールをしよう」

 待っていても読んでくれる人は現れないので、自分から探しにいく。

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