第3話

「結局、俺はなんのためにここに飛ばされたんだよー。アホ女神ー。」


 ピシャー!ドーン!

 突然雷が直撃し、山田が吹き飛ぶ!

「ぐわぁぁ!」

「あんまり失礼なこと言うから・・・。」


 キュティの冷静な突っ込みに思わずいいね!をおしたくなるが、残念ながら異世界だ。

「ほほほ。異世界からの来訪者、女神に悪態着いて雷撃を食らうなう。っと。」

「あるんかい!」

「どうした?傷が痛むのか?どれ洗ってやろう。」

「ぎやぁぁぁぁ!」

「おっといかん。こりゃ海水じゃった!」

「何しやがる!クソジジイ!」

「口の悪いやつじゃの。ほれもいっちょ」


 再び激痛に山田が転げ回る。みろ!真っ赤になっているぞ!これぞ神罰ってやつだろう。あっ、泡吹いて動かなくなった。

「傷口に塩を塗るなんて、神官様もエグいわね。」

「冷静にツッコミ入れる、キュティもなかなかよ?」

「あら女神様。神界にかえられたのでは?」

「上司につまらない仕事振られたから、クレヨンで落書きして来てやったのよ。」

「それ、大丈夫なの?」

「へーきへーき」


 がははと神聖さのかけらもない余裕の笑みを浮かべる女神に糸が降りてくる。先端にはクレーンのフックみたいな?あっ女神の鼻の穴にハマった。

「フガフガフガー!な、何よー!」

「上司の神様、怒ってるんじゃないの?」

「ええー!上司の頭はヅラだー!って書いただけなのに!あだだだだっ!」


 女神様の豚のような悲鳴が空に消えていく。これから折檻なんだろうなーナンマンダブ。あ、タローが目を覚ました。


「いつつ、クソジジイめ!っていうか主人公俺のはずなんだが扱い軽くね?」

「あんまり気にしたらはげるよ?タロー」

「るせー!ていうかいつの間に呼び捨て!?」

「あーもう細かいわね!そんなんだからうだつがあがらないのよ!」

「うっ・・・ぐっ・・・」


 あ、タローがいじけた。かわいそうにさぞや前世ではこき使われていたのね。可哀想に、私が助けてあげなくっちゃ。

「タロー。ここは前の世界とは違うわ。私があなたを導いてあげましょう!」

「は?」

「え?」

「思い上がってんじゃねぇ!」

「口答えするんじゃない!えい!」

「ぎやあああああああ!」


 塩だとまずいかと思って砂糖にしたけれど、あんまり変わんないのね。というかこの話パッションを発ささせるんじゃなかったかしら?

「ぱ、パッションを高めれば・・・この程度の傷!はぁぁぁ!」

「うっそ、消えた・・・」

「どうだ!これぞぱっしょん!」

「ぱっしょん?」

「ぱっしょん!」

「ぱっしょんじゃ!」

「「「パッション!パッション!」」」


 パッション最強ね!みんなもレッツパッション!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る