第11話:三人の熟女とトリプルデートの約束
「知ってるか? 二組の田中が彼女とデートしたらしいぜ」
友人との会話中。
こんな話になった。
ボク、三島惟幾は適当に相槌を打つ。
「ふーん」
「ふーんってお前、羨ましくないのか」
「まあ、羨ましいけど」
「だろー? あーあ、俺も彼女作ってデートしたいなー」
「うん、夢だよね」
「だろだろ?
はぁ、どこかにいい子いないかなー」
そう言って友人は。
深くため息をついた。
彼女、か。やっぱり憧れるよなぁ。
ボクも早くそういう子作らなきゃなぁ。
ボク自身もため息をつき。
友人との会話を続けるのだった。
※※※
「あら、いらっしゃい三島クン♡」
「こんにちは洋子先生」
相変わらず人の来ない保健室にて。
ボクは洋子先生に挨拶をする。
洋子先生がボクにこう訊く。
「お紅茶いるかしら」
「あ、はい。お願いします」
「ふふ、分かったわ」
洋子先生は戸棚から紅茶のティーパックを取り出しながら鼻歌を歌っている。今日は何だかご機嫌だな。
「先生、何だか機嫌がいいですね」
「ふふ、だって、三島クンと
お話出来るから……」
「? それで機嫌がいいんですか」
ボクと話すのがそんなに楽しいのかな。
洋子先生ほどの美人さんに好かれるのは嫌じゃないけど、多分その好きは恋愛感情の好きではないんだろうな。だって先生、恋愛経験豊富そうだし。ボクみたいな子供に興味ないでしょ。
そんな事を思いつつ。
ボクはふと洋子先生にこう訊いてみる。
「せんせいせんせい」
「はーい?」
「先生って、昔はモテたんですか?」
「あら失礼ね。今もモテるわよ」
「す、すみません」
「いーよ。……そうね、まあ若い頃はイロイロあったわね……」
「い、いろいろ」
やっぱそうだよな。
先生見た目からしてモテそうだし、美人さんだし。それにお上品だし。きっと若い頃はボクが想像できないような凄い経験をしてるんだろうな。
「やっぱり、デ、デートとか
したんですか?」
「ふふ、デートね。したわよ」
「へぇ、凄いなぁ。
どんなデートしたんですか?」
「んーとね。まあ言える範囲で言いますと、水族館で手を繋ぎながらとか、あとはカフェでお茶したりとか、かな」
「わぁ、すごいなぁ」
そういうの憧れちゃう。
ボクが目を輝かせ羨ましがると、先生はニコッと笑い。
「三島クン、そういうの興味あるんだ」
「んと、まあ……」
「ふふ、そうよね、男の子だものね」
上品に手で口元を隠し。
微笑む洋子先生。
そして、彼女はこんな事を言う。
「じゃあさ、先生で経験してみない?」
「え、先生で?」
「ええ、こんなオバサンで良ければだけど……どう、かしら」
確かに魅力的な提案だけど。
洋子先生と一緒にデートしたら、最後はエッチな事になりそうだ。
うーむ、どうしようかと考えていると。
「その話待ちなさーい!」
と、イキナリ美玲先生がやってきた。
洋子先生はイジワルに微笑み、こう言う。
「あらあら美玲先生。どうされたのかしら。そんなに息切らしちゃって……♡」
「どうしたも、こうしたもないわよ……はぁはぁ、アンタがふしだらな事しようとしてるから、止めに来たんでしょ……」
「ふしだらだなんて、トンでもないですわぁ……? 私はただ、三島クンに大人の味を教えようとしただけで……」
「それダメーーっ!」
美玲先生は声を荒らげ。
洋子先生をムムっと睨みつける。
……そこでボクはこんな提案をする。
「な、なら。皆で行くのはどうです?」
「はぁ? 皆で……?」
「はい。美玲先生も一緒のほうが楽しいですし、洋子先生が心配なら監視してればいいのでは……どう、ですかね」
「……むぅ、で、でも……デートだなんて」
『デート』と聞いて。
恥ずかしがるシャイな美玲先生。
と、その時もう一人先生が入ってくる。
「失礼しますー。洋子先生、ちょいと絆創膏を借りたいのだが……って、
「えと、皆でデートしようかなって」
「ほー……デートねぇ」
「先生も行きましょうよ。皆で行けば怖くない!」
「う、うむ。皆さんが良ければ……」
……と、なんやかんやあり。
ボクは三人の熟女と日曜日にデートをする事になった。しかも、トリプルデートである。……なんか大人の階段を飛び越えすぎた気がするけど、大丈夫かしら……。
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