11.グラランず、ギルドへ帰る。
(前回までのあらすじ)
副作用と引き換えに【暗視】を得られる薬物【ナイトアイ】の製造拠点を強襲し制圧したグラランず。無事に依頼は達成した彼らですがまだやりたいことがあるようで…
GM「さて、君たちが犯人だと勘違いしていた魔術師ギルドの学生だけど…」
ゾーラ「そういえば、ボスと話していた人間がそうやと思ってたんやけど
GM「物陰に隠れていた彼が出てきて助けが来たことに感謝しているよ」
ラル「救済はもたらされた。もっとも、それが主目的とは限らないけどもね」
ミエン「無事でよかったと声をかけて帰らせるよ」
ニーナ「衛士隊が来る前によく工場を調べておく」
GM「それじゃあ、これで君たちの任務は終わったギルドへ帰って衛士隊に報告を通してもらえば今回の報酬をもらうことができる。」
ラル「それじゃあ、僕らが帰るべきギルドに戻ろうか」
ニーナ「そうだね、行先はやっぱり、あのギルドだよね…」
~エンディング~
4人のグラスランナーが連れ立ってギルドのドアを叩く。
ジロー「やあ、ご同輩。もう来たのか」
ゾーラ「アンタも元気そうで何よりやねぇ」
ミエン「今日はこちらで祝杯をあげにきたよ」
ジロー「
ラル「製法は複写しておいた。これを読むといい」(羊皮紙を差し出す)
そう。彼らが先に立ち寄ったギルドは冒険者ギルドではなく
ジロー「へぇ~驚いたな。本当に調べ上げるとは」
ニーナ「できれば改良して目薬にできるようにしてほしい」
ジロー 「こいつを目薬に?」
ラル「もって3分とかかな? わからないけど」
ジロー 「薄めても効力が続くかは怪しいが…そうだな。暗視だけに効能を絞ればあるいは、な」
ミエン 「それだけでも欲しいヤツはいくらでもいるだろうからね」
ゾーラ 「副作用の方もなんとかして貰えるとありがたいんやけどねぇ」
ミエン 「まあ上手い商売をしてくれよ。あまり危険な薬物に出回り続けられても気分が良くないからね」
ジロー「ああ、我々も街中に穢れをばら蒔きたいわけではないからね。真っ先にそこの改善から手を付けよう。」
ニーナ「実際、完成すれば革命的だと思う」
ラル「上手く運んだ暁には、私達にも夜の目を提供してくれるとありがたいね」
ジロー「もちろんさ、同じグラスランナーじゃないか!」
ジロー「そうなれば我々グラスランナー斥候の夜目も効く…遺跡ギルドでの地位向上も夢じゃあない。どこかに熱心にこの薬の研究をしてくれるような奴がいればいいんだけど…」
ラル 「ふむ……魔導士ギルドの学生、彼なら興味あるかもしれないね? 遺跡ギルドと手を組むのに積極的になってくれるかはわからないけど」
ニーナ「研究者はね、研究費をたんまり出してあげるとふらふらついていく」
ジロー「魔導士ギルドの息がかかっているやつか。口説き落とせるか分からないが頑張ってみるよ」
ゾーラ 「上手いこと弱み握るんは得意やろ?」
ジロー 「痛い腹を探るのが仕事なもんでね。とりあえず今は祝杯をあげておこうか、同輩たち」
ニーナ 「手持ちがまだない。奢りでよろしく」
ジロー「兄貴たちから金は出るから今夜は好きなだけ食いな!」
ラル「……カラメニンニクチャーシュー」
ニーナ「取り皿よっつ!」
ジロー「へい、お待ち。たーんとくいなよ」
ラル「うん、ソイソースとポークの煮詰まる香り…ニンニクの匂いが混じって食欲を誘うな。存分に食べていこう、脂と炭水化物はあまねく人族への祝福なのさ」
ニーナ「ニーナは太りたくはないから。少なく」
ラル 「もちろん、自らの限界は弁えねば、待っているのは肥大の魔神の誘惑だからね」
ニーナ「これを機にスカウトでも練習して痩せよっかな…」
ジロー「スカウト技能の訓練ならウチで詰んでいきなよ。あんたなら、いい腕になると思うよ」
ゾーラ 「そないいろいろ言わんでも美味しければそれでええんと違う?」
ジロー 「美味しければいい! 明日のことは明日考えればいい! それがオレたちグラスランナーの生きざまにふさわしい食事よ! ささっ、宴会はこれからだぞ
プレイヤー「リアルでお腹空いてきた」「そろそろ夕飯だしね」「お疲れ様でしたー」
GM「それじゃあ、かいさーん!」
…というわけで想像以上にダーティなセッションになったグラランず。
失敗したら失敗したで
蛮族と違い多少の節度は守るだろうけど、金になるなら恐らく量産も厭わない。
そうなれば表向き事件を解決した実績のあるグラランずに再び【ナイトアイ】の取り締まりの依頼が出るだろう。
グラランずがその依頼に「失敗」するのか、あるいは
縁があったら、またグラランずの冒険をお見せできるかもしれません。
ではまた、その日まで。
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