第3話 両親と教会にいく。

転生して5年の月日が経った。


僕の身体も大きくなり、自由に村で遊べるようになった。

午前は母の畑仕事を手伝い、昼から村で子供たちと遊ぶようになり、

周りの知り合いも増えてきた。


「エドくん、今日も元気がいいのね。」


2年前、村に引っ越ししてきたユーリさんの奥さんのルーシアさんだ。

両親と年も近く、美男美女の夫婦で僕たち家族と仲も良い。

転生して思ったのは、この世界の人は顔立ちが良い人が多い。

両親も金髪の美男美女で、村人じゃなく貴族じゃないかと思うくらいだ。


「ルーシアさん、こんにちは。今日はルナちゃんを連れていないんですね。」


ユーリ夫婦には二歳になる娘のルナちゃんがいる。

両親と似て、綺麗な銀髪にセルリアンブルーの眼で、大きくなったら美人になると断言出来るほど整っている。


「今日はパパとお留守番してもらっているの。エドくんは今日は何してるの?」


綺麗な眼で、興味津々といった表情で聞いてくるので、


「明日、父様と母様と一緒に街の教会まで行くので友達にあいさつに行く途中です。」


と、僕は笑顔で答えた。

五歳になると、子供は教会に行き、神の洗礼を受けなければならない。

その時に神から、子供の器に合ったスキルをもらえるらしい。


こっちの世界では、5歳、10歳、15歳の三回、神の洗礼を受けて、3つのスキルを貰ってから成人とみなされるらしい。


なので、15歳で大人の仲間入りとなる。


「もう五歳なのね。良いスキル貰えるといいわね。」


ルーシアさんが、ウインクをしながら言ってきた。

綺麗な顔立ちなので、ドキッとしたのは内緒だ。


家に帰ると、父と母が濃厚なキスをしてるのを目撃してしまった。

僕と眼が合うと二人は一瞬で離れてしまう。

二人は顔を赤くしながら僕におかえりと言った。


「いつになったら、妹か弟ができるの?」


首を傾けて、あざとく両親に尋ねた。

僕は36+5歳なので、両親をおちょくることにした。

二人はゆでだこのように顔を赤くさせて、見つめ合いながら


『早く兄弟が出来たら良いね。』


両親はハモって言った。

夕ご飯も食べて、明日の準備を終わらせて僕はいつもより早く寝ることにした。

布団に入り、明日のことを思い浮かべる。


街まで馬車で三日かかるらしい。

途中は野宿することになると父から聞いている。


初めて村から出る為、わくわくドキドキしている。

ふと、愛子は元気にしているだろうかと思ってしまった。

こっちに来てから、およそ5年経ったが今でも愛子のことが忘れることが出来なかった。


他の人と幸せになっているだろうか?と思うと今でも胸に痛みが走る。

新しい人生が始まっても俺は今でも愛子のことが忘れれない。


女々しいなと思う。

だけど、本当に好きだったんだなと思った。


だから、寝る前にいつも願っている。

 



『愛子が幸せでありますように』



翌朝、早朝に僕たちは馬車に乗り、街に向かった。

朝霧の少し寒い中、両親に挟まれ僕たちは森を抜けていく。

両親とどんなスキルが欲しいか話しながら、三日経って、昼頃に街に着いた。


街に入るための手続きを終えて街に入った。

街の名はソドムというらしい。

初めての街は、村とは違い活気に溢れ、どうしても興奮が収まらなかった。


「エドも子供らしいとこあるんだね。」


両親に言われて、顔を真っ赤にした。

両親は優しげな目で、もっと子供らしいところ見せてほしいと言った。

両親二人共、たまに不安になるらしい。

物わかりが良いから、子供に無理をさせてると思ったらしい。


二人と話しながら、今日泊まる宿の予約をして、教会に向かった。


日本に居たとき、教会に行ったことはあるが、それよりも大きくて胸が高まった。

入り口に行き、わずかばかりの金銭を寄付して祭壇まで案内された。


司祭様に言われたとおり、片足をつき、両手を握り自分が思っていることを願った。






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