☆ インスタントカメラ

僕は、写真を撮る。

写真を撮るのが好きだからじゃない

いや、最初はそうだったような気がする。

それも、違う。

ゼミの課題で、仕方なくやっていた。

そんな僕でも、

写真を撮るのが習慣になっていた。

ダイエットをすると意気込みながら

毎日スイーツを食べてしまう人のように

勉強をすると言いながら

ゲームをしてしまう人のように

悪い意味の習慣になっているのだ。

けれど、

この夏が終わったらやめようと思った。

5回目だけど。

僕は、汗を垂らしながら文句を呟きながら

あの頃みたいに、写真を撮る。

バス停、自販機、木陰、滝、そしてベンチ、

山を登りきったところで、

それらの写真を全て燃やした。

写真を撮ったら、魂がとれる。

そんなのは、まやかしだ。


ならばせめて嘘であったらよかったのに

それなら、天秤が背を比べる気持ちに

なっていなかったのに

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