ケアレポ3 看護師悲喜こもごも【後】
割りと古株のGさん。
ベテランなだけあって仕事は早いし慣れてるし。決してお年寄りが嫌いなわけでもないみたいだし。
ただ、とにかく、スタッフへの当たりがキツイ。
ミスした時に叱られるのは、まあ、しょうがないです。
Nさんだって、キツイこという時はありました。
でも、Gさんは、とにかく言いっぱなしなんですよ。それに、ミスそのものだけじゃなく、エスカレートして、昔の失敗のこと言われたり、ひどい時には人格否定まで入ってくる。
あと、その日の機嫌で言うことが違う。「この間Gさんに言われたので」と言うと、「はあ? そんなこと言ってないし。そういう意味じゃないし」と話が二転三転。
夜間の当番がGさんの時は、ため息ついて夜勤入りしてました。
まあ、Gさんの被害に合っていたのは介護士だけじゃなくて。
Nさんの代わりにうちに来てくれたどっちかと言うとまだ経験が浅い看護師のRさん。
新人なのをいいことに、Gさんのサンドバッグになってしまい。
精神疲労で休職してしまいました。
さすがに上層部も重い腰を動かして、Gさんの状況を聞き込みし。
って、前から介護スタッフからも苦情上げていたじゃないですか?!
介護スタッフにも心を病みそうなの、何人もいるって言っていたじゃないですか?!
うー、こういうところ、上層部の看護師重視の考え方、納得できない。
確かに看護師がいないとできない処置とか書類とかありますけど!
でも、利用者さんの生活を一番近くでみているのは介護士なんですけど!
そう言う点でも、Nさんはよかったな。
「教えてくれてありがとね」「よく気がついてくれたわ」って、ちょっとした報告にも感謝の言葉をつけてくれた。
Gさんだったら「は? そんなことイチイチ言ってこないでよ!」「言われなくても分かってるわよ!」って返してくるから、わざわざ他の看護師さん探しに行くスタッフがいたしなあ。
在籍年数も長くてベテランだから、他の看護師さんも逆らえない感じがあって、Gさんは好き放題していて、Rさんだけでなく転勤したNさんや他の看護師も罵倒されることがあって、スタッフルームで見ていて気の毒だった。
報連相(報告・連絡・相談)が大切って言われても、したくない相手っているんですよ、実際。
で、ようやく上層部が重い腰を上げて調査検討して。
Gさん、異動になった。
異動したって、また被害にあうスタッフがいるんじゃないかと心配したけど。
聴いた話では、自宅から新しい勤務先に通うのに、うちの倍の時間がかかるらしくて、近場への異動希望を出したけど叶えられず、結局自主退職した、と。
うーん、ちょっと報復人事っぽくて嫌な気持ちもあるんだけど。
あと、看護師って実は資格が2つあるんだって。
看護師と、准看護師。
NさんやRさんは看護師で、Gさんは准看護師だったらしい。
そう言えば、後から入った2人の方が、勤務表(役職順)の名前、Gさんの上だった記憶がある。
それを教えてくれた同じく准看護師のEさん。
「資格が違うんだからお給料や役職が変わって来るのは仕方ないのよ。それが嫌なら、頑張って資格取り直せばいいのに。ベテランなのに追い抜かれるのが許せないって言っておいて、でも努力する気はなくって。私が通信教育始めるって聞いたら、『今さら頑張っても仕方ないのよ。現場は資格じゃないのよ。経験よ』って散々けなして邪魔しようとするし」
准看護師でも、勤務年数が長いと通信教育を受けて看護師の国家試験を受ける資格が貰えるんだって。
介護士が経験年数で介護福祉士の受験資格を貰えるのと同じ感じなのかな?
確かに、もし学校卒業してきたばかりの未経験介護福祉士の新人に大きな顔されたら、経験が長くて、でもまだギリギリ資格が取れない現場の介護士からしたら、ちょっと腹立たしいけど。
でも実際、若い資格のあるスタッフが気が付いたら自分の上の役職なんてこと、ざらにあるし。
それは、純粋に、頑張って出世したんだな、って称賛しているし。
だから、自分が頑張れないのに、頑張っている人を貶めてはいけないと思う。
あと、次の介護福祉士の国家試験、全力で頑張ろう!
K・A・I・Go! キラキラ! 介護の現場から 清見こうじ @nikoutako
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