第9話
僕は家に帰るなり、寝て気づいたらもう外は真っ暗になっていた。そして僕が起きたのに合わせるかのように母の声がした。
「ご飯よー」
「う、うん!今行く!」
こうして僕の土曜日が終わる。
そして日曜日は、その反動でずっと寝ていた。
そして月曜日がやってきた。
また苦しい日々が始まると思うと、僕は憂鬱だ。
でも僕には、小さな希望ができていた。
なんとお母さんが今日唐揚げを作ってくれるらしい、唐揚げは僕の大好物だ。あの、なんというか、外はカリ、そして中身はジューシーが僕は好きだ。
しかも母の唐揚げは、僕の親戚などから、とてつもなく人気だ。会うたびに、唐揚げ屋さんをしたらいいのにと言ってくる。それを僕は、自分のことじゃないけど、鼻が高い。
「ちょっと、そんな私の目の前で止まらないで!」
と、僕の妄想の中に入ってくる妹の紬。
「ああ、ごめん、ごめん、ちょっと考え事をしててね」
「考え事は、いいけど、通路では、やめてよね、迷惑」
「う、うぅごめん」
僕は、素直に謝った。そして迷惑という言葉に少し傷ついた。
「やっぱ、月曜日は、つかれるわぁ〜、あ、西村ガムいる?」
と、田中くんが言う。加崎くんは、まだ学校に来てないらしい。
「ってか、田中くん、学校で食べてもいいの?中学じゃダメだったから高校もダメじゃないの?」
「いいんだよ、いいんだよ、高校じゃ多分いいんだよ、入学式の時にもらったプリントに載ってなかったじゃん!それに、ほらみんな食べてるし」
僕は辺りを見渡すと、結構多くの人が食べていた。
「いいのかな?ほんとに、、、」
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