第6話
なんで急に、急に唐突に、なんで、こんなに優しいんだよぉ、今日は。
結論を出したつもりなのに、まだ僕は動揺している。
「あ、サンキュ!」
動揺していることを悟られないように僕はなるべく普通に接した。
「手震えてるけどどうしたの?熱かな?」
と言って紬は、おでこを近づけて密着、とは、いかず、紬は、体温計を持ってきて僕の脇に挟んでくれた。
「腕、上げて」
「あ、うん、ごめんなんか、迷惑だよね」
「いや体調わるい人を看病したりお世話するのは、普通だし」
「やっぱ優しいな」
別に自分で挟むくらいはするのに、妹は、とても優しいと僕は改めて思った。やはり僕に似て優しいな、自己過剰では、ない
「べ、べつに」
そんなにも僕の褒め言葉が嬉しかったのか、少し赤くなっている。
「少しだけ熱あるね」
そして次の日
僕は朝日で目が覚めた。
「うぅ、昨日カーテン閉めるの忘れてた、うぅ眩しい」
僕は目をうっすらと開けながら言う。
そして僕はいつものようにゆっくりと起き上がり、そしてまたゆっくりと階段を降りてリビングへ、僕はその途中に気づく今日が休日ということに!
「おはよう」
「おそよう」
「そんな遅くないでしょ」
「もう9時よ、遅いでしょ、お母さんなんて6時に起きたんだから」
「早すぎ、何してたの?本当に疑問」
「洗濯物とかよ、主婦は朝が早いの、いいよねー、学生のお二人さんは」
「よくないよ!」
ここで初めて、妹の紬が口を開く
「うむ、同意」
僕も一応、いや、本心で同意した。
「ところで、ご飯まだー?お腹すいちゃったよ僕」
「私もお腹すいたー」
「じゃあお腹が空いてるお二人さんに手伝って貰おうかな?」
「え!?僕達もするの!?」
「うぇーやだー私見るだけがいいー」
本当にそれでいいのだろうか
「まあいいや、僕は手伝うよ」
「お兄ちゃんだけ頑張ってねー」
笑顔で、満面の笑みで言ってきた。なんだか最近ちょっと機嫌がいいよなほんと、こないだは嫌われてるのかと、反抗期なのかと思ったよ。
「うー」
僕がなぜ急に手伝おうかと思った理由は、共存していないと言わせるためには、お母さんにご飯を一人で作らせちゃいけないと思ったからという理由と、普通にボランティアしようと思ったからだ。
「うー紬もやろーよー」
「そうよ紬もやりなさい、なまけちゃだめ」
「はぁー」
と言って、紬は僕をギロっと、睨みつけてきた。
僕は少し鳥肌が立ったが、少し懐かしさを感じていた。
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