第7話 自分に贈る戯言

 今を逃げる者に明日を歩く資格はない。


 今、努力できぬ者に、未来の自分を悔やむ資格はない。



 それっぽい、名言を考えることは好きだ。


 迷言……かもしれないが。



 ただ、現実の僕は……それらを何一つ成し遂げることはできないんだ。


 自分のやりたい事も、自分の未来も……全部……全部……曖昧で……


 僕には思い描く事すら敵わない。



 例えば……今日、僕が、何か大きな苦難から逃げず立ち塞がったとして……もし膝から崩れ落ちる事無く耐える事ができたとして……


 明日にまた訪れる苦難を真正面から受ける勇気が僕にはあるのだろうか?


 断言しよう……僕は昨日得た名誉さえも捨てて僕は今を逃げ出すのだろう。


 

 その耐えた先に……僕の目指す明日は無いから。


 歩きたい道がそこに有る訳じゃないから。



 だったら、今更来た道引き換えして、あんたが進みたかった道まで戻るのかい?


 

 自惚れるな……てめぇは何も為しえない。


 何処にも辿り着かない。


 その最後まで周囲に呆れられて生きていろ。


 得意の言い訳だけで惨めに生きていろ。


 てめぇはただ…耐えては、逃げるを繰り返し生きていろ。



 そうして、胸はって言っていろ。


 てめぇの人生、糞でしたって。


 それが、てめぇの好きな戯言だ。

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