酒
エリー.ファー
酒
この研究については、多くの人の目に触れぬよう管理すること。また、その他の事例をこの中に含めることを禁ずる。
光線銃の仕様については、白眉博士の研究から引用した別の研究データを参照する。ただし、内容については、機密事項も含まれるためハイクラスからの許可を得るよう推奨する。
午前中は二階から三階までの研究室をすべて閉めること。この場合の閉めるは単純な施錠ではなく、二度と人が入れないようにすることを示している。ただし、破壊行為を伴うものであってはならない。これは、多くの犠牲者を出す可能性が高いためである。
午後は研究情報を閲覧することを禁止する。注意書き、および推奨される問題解決方法を熟読の上、焼却すること。つまり、この情報を得ることは今後の研究において重大な損失を生み出すことが決定となっている。
研究用施設アスガイズについては廃棄することを推奨する。研究施設はすべて汚染され、白眉博士も巻き込まれたためである。これらの事象について研究を重ねることは、危険とされており、オールフェイズサムナーからの指示を仰いでいる状態である。ただし、オールフェイズサムナーは、この研究に割くべき予算はないとの見解を毎年示しているので、進展については絶望的である。
七体の死体と四体の赤ん坊が確認されている。赤ん坊については性別はない。手首にミミズのような生物が埋まっており、蠢いていることが確認されているが、触れることは禁止されている。
ナイフなどの鋭利な物体を所持して研究に臨むことを禁止する。理由は以下のとおりである。
構成員による殺し合いを防ぐためと、研究者に家族がいた場合の優遇措置である。
研究的測量幅による確率的アプローチから生まれる違いを極限まで失くすため。また、状況の客観的観測を妨げると考えられる非実現的世俗と時間の持つ主軸への改悪的措置を防ぐため。
研究員の中にヒルデアクラスがいないことを確認できない事実から発生する問題への解決手段が今現在確認できないため。
研究が始まってから既に二百年以上経過しているにも関わらず、研究員たちが老いることなく研究を続けている。また、その結果がいまだに上層部へ届けられるという状態が中止措置を行っても続いている。この異常事態へのトレイプス系発令からみたやむを得ない措置であるため。
上層部がこの研究自体をなきものにしようとしていることを、下層研究員たちが快く思っていないことを鑑みた結果。
今現在、百十八人の研究員が既に消失していることから、何者かの攻撃を受けている可能性を鑑みた結果。及び、こちらからは攻撃を行えるという優位性を保持するため。
現実改変および、消失を起こさないようにするため。
過去改変および、縮小を起こさないようにするため。
未来改変および、拡張を起こさないようにするため。
現実改変、消失、過去改変、縮小、未来改変、拡張が発生する可能性が完全に失われることを阻止するため。
現実改変、消失、過去改変、縮小、未来改変、拡張が既に発生している場合に、それらを正確に認知できるようにするため。
この研究データは削除ではなく、破損することが予定されています。
酒 エリー.ファー @eri-far-
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます