第12話

駅前とか久しぶりだな.

14時まで,まだ時間あるし,バス停に座っておこう.

広場も広くなって,綺麗になった.

ここも変わったなぁ.

感懐深げに眺めて,ただ座ってた.


「ここだと思った.」

リョウが俺を見つけた.

眼鏡をかけていたけれど,リョウだった.


…?

首をかしげると,リョウが首をかしげて,

「分かるよ.」

と言った.

また,首をかしげると,

「中学の時,ここで見た事あるんだ.何度も.」

とリョウは言った.


「月に1~2回.

3人でいたでしょ.タピオカ持って.バス待ちしてた.

ん~っと,ユウくんは多分コーヒーだったかな.

コーラ?あの中,タピオカ入ってたの?

ユウくんと,ハヤトくんと,ふわふわの髪の女の子.

何話しているのか全く聞こえなかったけど,物凄く楽しそうだった.

僕はさ,その隣を通って塾に行くの.

誰かお小遣い制の1回と,多分,テストの後良かったら1回かなって.

だから,月に1回か2回.当たり?」


遠くから,ルカの笑い声が聞こえた気がした.

「お兄ちゃん,何でミルクティー飲まないの~?

わざわざタピオカ飲みに行ってるのに,あれだけの行列並んでコーヒーなんて!

ねぇハヤトくん.タピオカミルクティーが美味しいから並んでるんですよ~って.」

ハヤトが焦って言う.

「ルカちゃん,ユウに意地悪言うなって汗

甘いの苦手だけど付き合ってくれてるし,

何よりルカちゃんが1人で心配だからって.

俺は,甘いのもトゥルンってした感じも,よっしゃ来た!って感じで美味しい^^」

「ね~^^*」


絶対,同じ話振って,同じオチなんだよな…

ルカも,ハヤトも,嬉しそうにニコニコ.

毎回おんなじの飽きずに何度も飲んでたな.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る