第4話

「ユウ?17時集合な.」

「おう.

ハヤト,先生に告げ口なしだわ.」

「わるい,機嫌直してよ.」

「今日は,俺ら2人だけ?」

「カックンはバイト.ルーは塾だって.」

「あ~皆忙しいね~.」

「そうだなぁ.じゃなっ.」


爽やかに教室を出ていくハヤト.

隣のクラスの女の子が廊下で待ってんな.

今まで俺と一緒に帰ってたじゃないかっなんて,ふん,女々しい.誰が言うか.


『準備OKよぉハヤトおせぇ.』

『ごめん,遅くなった.ランがさぁ,ちょっと遠回りして帰りたいのって言うからさぁ.』

『理由はいらん.聞いてない.』

『ユウ,右?左?』

『どっちでもいいよ.選んで.選ばなかった方が俺.』

『了解.つか俺もどちらでもいいけどさ…』

『きた!んじゃ俺いくわ.右ね.ハヤト左お願い.』


何だか思いっきり撃ち込んだ.

スカッとした気がしたけれど,もやもやはもやもやしたままだった.


『ユウ?何だか珍しいじゃん.いつもだったら,

「頭一発.省エネ.」

って言うくせに.

「弾無駄遣いすんな.」

って,決まって.』

『おい,真似するな.ニヤニヤもするな.』


左隅にインカムつけてニヤニヤしたハヤトが見える.


『今日は大盤振る舞いデーなんだな~.俺もバンバン撃ち込んじゃおう.』


『ハヤトは,いつだって…なっかなか当たんねぇし…』


『えっ!?何か言ったか!?』


『いや何も…』


いいとこでドットが鳴った.

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