第2話

弁当の時間,つい立てたてて黙食.

もう慣れた.

ご飯しか食って来てねーから,おかずもしっかり食べとかねーと.

俺,生きてるうちは元気に過ごしてぇし.


食い終わったら,マスクつけて,ついたてアルコール消毒して,直して読書…


なんて,する訳ねぇ.


「なぁ,ユウ?聞いた?あいつ,聖火リレーするんだってさ.」

後ろからひそひそ言ってくる.

「ふぅん.」


「えっまじ?すげぇじゃん.」

隣のやつがくいつく.


もう勝手にやって.

「俺,トイレ.」


やってられん.

窓全開.

風が気持ちいくらい入ってくる.


今の時期がちょうどいい.

ちょっと前まで寒くて,厚着しながら,冷たい風感じて.

換気換気.

分かるけど,わかんねー.


桜は終わりか.

暑い夏が来る…

少し耳の奥で蝉が鳴いた気がした.


中庭で女の子たちがキャーキャー言ってる.

スカートか…

風強いよな…


いや~がっつり見る?

見ちゃう?

全く気にしないふりする?


俺,今…顔大丈夫かな…


ん?

鼻水?


…鼻血か!!

やば.

マスク外して,付かないようにしないと!!!

俺の白マスク!!!

セーフ!!!

白いまんまだわ.

とりあえず,マスクをポケットに突っ込んで,ティッシュで圧迫止血.


「あ~!!!!!!!!」


え…何々?

見ると…


目が合う罠…


8/21 加筆



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