4月13日・14日・16日
無情旅、第二章「逃れ旅」の続きを読んだ。終点下車。階段を登り、地上に出た。魔都の空はどんより曇っていた。横断歩道を渡り、坂道を歩いた。職場到着。広場の入金機に買物カードを挿し込み、今週分をチャージした。
売店に入り、朝飯を買った。空いている卓席に陣取り、エクレアを食べた。ラジオの情報番組を聴きながら、コーヒーを飲んだ。話題は「自宅で楽しめる機内食」について。電源を切り、ハヤカワ文庫JAの『筒井康隆、自作を語る』の続き。まことに面白い。買って良かった。あなたも買ってください。
食堂に行き、Bランチを買った。今日のBは揚げ置きフライの特製ソースがけ。小鉢は大根の煮物。窓際のカウンター席で、アオレンジャー風が親子丼と中華そばを食べていた。勿論ウソである。トレイ返却後、休憩場所に移動した。先客二名。最近、ここの人気が上昇しているようだ。読後、約十分仮眠。
地元駅下車。他者の妨げにならないところまで足を進め、そこから弁当屋に電話をかけた。応答あり。帰途、スーパーに寄り、鮮魚売場と惣菜売場を眺めた。家に戻り、雑用をつぶした。ラジオを聴きながら、腕立て伏せをやった。話題はオンラインサロンについて。手と足の爪を切ってから、温水を浴びた。
♞今宵の酒は黒霧島の軟水割り。酒肴はビンナガの刺身。飯は幕の内弁当。
発車と同時に、第三章「仇討ち」を読み始めた。終点到着。駅を離れ、坂を下った。道中、カフェに寄ろうとしたが、直前でやめた。これ以上雨の勢いが強まると面倒だからである。職場到着。傘の表面を布で拭ってから、建物に入った。売店に行き、朝飯を買った。卓席に座り、ホイップあんぱんを食べた。ラジオの情報番組を聴きながら、コーヒーを飲んだ。話題は「食品ロスを減らす試み」について。ビールをジンに変える技術があるとは知らなかった。
券売機に買物カードを挿し込み、日替わりランチのボタンを押した。献立は岩魚の塩焼きと野菜の煮つけ。沢庵と味噌汁。そして、大盛りの丼飯…だと嬉しいのだが、実際は違った。空いている席に座り、黙々と箸を動かす。対爆ガラスの向こうで「帝王の昼餐」が繰り広げられていた。未来人類の密猟団を返り討ちにしたティラノサウルスの夫婦が、とらえた獲物を「生きたまま」バリバリ食べていた。完全にウソである。トレイ返却後、休憩場所に移動した。
車内で『自作を語る』の続きを読む。無類の面白さ。地元駅下車。改札を抜け、駅舎と繋がっている商業ビルに足を進めた。食品売場を物色し、欲しいものを篭に入れた。勘定を済ませてから、ビルを出た。天気予報を聴きながら、帰路を歩行した。自室に戻り、腕立て伏せをやった。ラジオの話題は「海苔不足の理由」について。風呂場に入り、温水を浴びた。頭髪を洗ってから、髭を剃った。酒飯の後に、北大路欣也主演の『空海』の続きを観るつもりである。
♞今宵の酒は黒霧島の水割り。肴は厚揚げ豆腐と焼きそば。飯は天ぷら弁当。
改札を抜け、駅を離れた。いつもとは違う駅である。信号を左に曲がり、夜の歩道を歩いた。ラジオを聴きながら、歩行を続けた。五輪(なにがなんでも)開催が、どうして「政権維持に繋がる」のか、俺にはさっぱりわからない。発想も理由もまったく理解できない。
煮売り屋に寄り、夕食をしたためた。魚料理の旨い店だ。食前に清酒二合。酒肴は鮭のムニエル。飯は鯖カツ定食。たっぷり食べて、勘定は三千円ほどだった。帰宅後、温水を浴びた。歯を磨いてから、北大路空海の続きを観る。
翌日(つまり今日)の朝が来た。洗い立てのマスクを露台の竿に吊るした。燃えるゴミを詰めた袋を集積所に運んだ。最後のカギをかけてから、近所のコインランドリーへ向った。着きざまに、ドラム洗浄をやった。マシンの中に数日分の衣類を放り込み、扉を閉じた。コースは「洗いと乾きの両方」を選んだ。代金はカードで払った。直後、機械が動き出す。所要時間は約一時間。
乾燥衣類を入れた袋を右手にぶら下げながら、自宅に至る道を歩いた。途中、身の丈3メートルはありそうな「巨漢ピグモン」と擦れ違った。同組の親分である。愛犬(番犬)連れとは云え、抗争中に単身散歩とは豪儀なものである。さすがはボスだ。肝が大きい。両足に履いた鉄下駄は咄嗟の武器も兼ねているらしい。あれをまともに浴びたら、ただでは済むまい。俺などには一片の興味も示さずに、ボスピグモンは悠然と歩み去っていった。勿論ウソである。
シャットダウン確認後、再び外出した。両替屋に行き、現金を補給した。デパートの地下売場に潜り、食品と飲料水と日用品を買った。帰途、弁当屋に寄った。家に戻り、物干し竿を屋内に移した。明日の天気は荒れるみたいだ。
♞今宵の酒はトリスの軟水割り。酒肴は豆腐と煮卵。飯は豚の生姜焼き弁当。
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