3月30日・31日と4月2日

 本を閉じた途端、猛烈な眠気が襲ってきた。強靭な磁力のようなものが俺を捕捉していた。次の瞬間、眠りの世界に吸い込まれた……。気がつくと、黄泉の国に流れ着いていた。勿論幻想である。駅を離れ、職場に向かった。入金機に買物カードを挿し込み、二千円分をチャージした。売店に入り、朝食を買った。窓際の卓席に陣取り、菓子パンを食べた。コーヒーを飲みながら、ラジオの情報番組を聴いた。話題は「深夜宴会」「重症化予測」「通航再開」など。


 食堂に行き、券売機でBランチを買った。一番奥の席に料理を運んだ。今日のBは焼魚。小鉢はミニ肉豆腐。魚に続いて、豆腐が消えた。残りの飯に味噌汁をぶっかけ、ザバザバと流し込んだ。トレイ返却後、休憩場所に移動した。床の上にミド〇〇ジャー風の首なし死体が倒れていた。最前まで恐るべき戦いが繰り広げられていたらしい。壁と長椅子にブーメランが突き刺さっていた。俺は後者を引き抜きざまに、腰をおろし、読書を始めた。無論ウソである。


 車内で『ほろよい味の旅』を読了した。地元駅到着。いつもとは違う道を選び、店頭に「テイクアウトできます」という幟を掲げた居酒屋に入った。が、対応が異様にモタモタしていて、話がさっぱり前に進まぬ。この有様では、商品を実際に受け取るまで、数時間を要しそうだ。注文をキャンセルし、店を出た。宴会騒動の続報を聴きながら、帰路を歩いた。自室に戻り、腕立て伏せをやった。酒飯の後に『太平記/最終話:尊氏の死』を観るつもりである。


♞今宵の酒はブラックニッカの「サントリー天然水 南アルプス」割り。酒肴はガーリックポテト。飯はハンバーグ弁当。


 発車と同時に、角川文庫を開いた。復活の日の「インテルメッツオ」の続きを読んだ。終点下車。駅を離れ、坂を歩いた。職場に着いた。中に入ると、建物の一部が「不思議のダンジョン化」していた。丸腰の俺である。化物に襲われたら、命はない。安全地帯まで数メートルの距離に達した瞬間、罠が作動した。ずしーん。吊り天井が俺の体をザクロ同然に破砕した。勿論ウソである。


 売店に入り、菓子パンを買った。最近設置されたコーヒーマシンを動かし、ブレンドを買った。代金は買物カードで払った。窓際の卓席に陣取り、パンを食べた。ラジオの情報番組を聴きながら、コーヒーを飲んだ。話題は「缶詰めブームと御当地缶詰め」について。電源を切り、集英社文庫を開いた。椎名誠の『おなかがすいたハラペコだ。➁おかわりもういっぱい』を読み始めた。


 車内で、もういっぱい収録の「春山雪洞カンズリ鍋」を読んだ。地元駅下車。近傍の豚カツ屋が店頭販売をやっていることに偶然気づいた。ラジオを聴きながら、家路を歩いた。話題は米中関係。スーパーに寄り、惣菜売場と鮮魚売場を物色した。帰宅後、テープに録音したオンザレディオを聴きながら、腕立て伏せをやった。酒飯の後に、太平記最終話の続きを観るつもりである。


♞今宵の酒はブラックニッカの「磨かれて、澄みきった日本の水」割り。酒肴はマグロの切り落としと三野菜の糠漬け。飯はカツ丼弁当。


 眼が覚めた。枕辺のアナログ時計が「朝の7時45分」を示していた。洗顔後、湯を沸かした。ラジオの情報番組を聴きながら、熱いやつを飲んだ。話題は「コロナ禍の聖火リレー、あなたはどう思いますか?」であった。身支度を整えてから、近所のコインランドリーへ向った。

 道中、地獄絵図みたいなシーンに遭遇した。ガ〇〇ン組の事務所が業火に包まれていた。ピ〇〇ン組の決死隊が焼き討ちを仕掛けたのだ。火達磨と化したガ〇〇ン組の構成員たちが、応接間の窓や玄関のドアを突き破るようにして、庭や路上に躍り出した。

 トラックの荷台に潜んでいたピ〇〇ンが、散弾銃を構えざまに、七転八倒を演じているガ○○ンにトドメを刺し始めた。俺は逃げた。こんなものに巻き込まれたら、命がいくつあっても足りぬ。走り去る俺の背後で、銃声と断末魔がひっきりなしに続いていた……。全部ウソである。我が町は本日も平和です。


 帰宅後、二杯目のコーヒーを淹れた。居室に行き、世界樹を再開した。刺客団を編制してから、彼岸ノ園に潜った。最深部で待っていたのは、やっつけた筈のムスペルであった。強敵だが、大化物よりは戦い易い。打倒後、街に戻った。代表者マガンの屋敷に行き、賞金を受け取った。同時に第12ダンジョン「覇者ノ棲家」の門が開いた。このゲーム、本当に楽しませてくれます。


☖ミネルバX〔ソードマン〕レベル99・HP303・TP303/モラルタ+12

☖ナイドールV〔パラディン〕レベル99・HP452/武器:カッツバルゲル+12

☖グロマゼンR〔メディック〕レベル99・HP265/武器:鬼の金棒+38

☖ダイアナンA〔ルーンマスター〕レベル99・HP274/武器:太陽の光杖+15

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