第4話 情報戦

 当たり前に情報が得られる時代になった。

 子供から老人まで、老若男女問わずチープでデマを含んだ情報を、浴びるように摂取することが出来る時代。

 ある意味超近未来的で、攻殻機動隊や電脳コイルに見られるSFを体現しつつあるのかもしれない。

 故に、正しい情報の取捨選択と自分で考える力を養っていきたいと思う。

 特に子供たちには、情報の選び方、そして他人の意見をコピーアンドペーストするだけでなくオリジナルに思考し、実際に体験する楽しさを忘れずに居て欲しいと強く感じる。

 作者はサイエンス・フィクションが大好きであるが、技術革新というのはファンタジーに見られる敵、例えば火を吹くドラゴンや悪を支配する魔法使いとは違った恐ろしさを持つことを忘れてはいけないと思う。


 昔ナイチンゲールの伝記を読んだ時に衝撃的だったシーンを覚えている。


 若き日のナイチンゲールはボランティアに参加し、貧困層の家にスープを配り歩いている。しかし、貴族たちは汚い家に入りたがらず、スープを玄関口に置くだけで、体の悪い寝たきりの老人はスープを自分で飲むことが出来ない。

 それにナイチンゲールが心を痛める話である。


 今まさにこのようなことが世界中で起こっているのでは無いだろうか。

 技術が発展し、様々なことが便利になった。一方で、人は人と繋がることでしか生きられないということを忘れてしまったように感じる。

 SNSの利用でコロナ禍であろうとライブで世界を感じることが出来る。

 インターネットを介して世界中の人たちと会話ができる。

 家族は?リアルの友人たちは?親戚は?職場の、学校の知人たちは?

 全て疎ましいことかもしれない。かくいう作者も親戚付き合いや、周りにあれこれ言われることが好きではない。

 しかし人は決してひとりでは生きていけないのである。

 苦しい、辛いと言われた時に大丈夫?とLINEを送る、こういうのが便利だよとURLを貼る。それは親切だろうか?

 手を差し伸べることが、人手こそが圧倒的に日本は足りていないように私は思えてならないのである。

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