第3話 ストレス耐性

 ストレス耐性が無いのをどうにかしたい。日々そう思って生きているが、そもそもストレス耐性のある人間なぞ存在するのだろうか。

 そんな人間いないだろうと友人に言われ、それもそうかと納得してしまった。


 "少しだけ、あなたより気持ちをコントロールすることが上手いだけよ。そもそも世の中に強い人間なんていないもの"

「旅日記」の中のポッカリーネのセリフだがこれは実際に私の親友から言われた言葉である。(多少口調は違っていたが)

 どんなに完璧に見える人にだって辛いことはある。少なくとも辛かった状態や過去はあったはずだ。

 そういうことを忘れてはいけない。

 成長へのモチベーションになる限りは人と比べたり人を羨んでも良いと思うが、自分を苦しめ傷つけてしまうようなら即刻辞めるべきなのである。

 要は考え方次第だ。

 身も蓋もない意見だが、辛いと思うも楽しいと感じるもその人の考え方次第なのである。

 ストレス耐性の話に戻るが、少しだけ生きるのを楽にしてくれる考え方のひとつに'邪推してはいけない'というものが挙げられると思う。

 あの人はこう考えている、あの人はこういった目で私を、物事を、見ている、捉えている。

 そもそも他人からどう見られているか考えている時点で随分とその人の人生は生き辛いものになっているだろうと私は思わずにはいられないわけだが、どのみち邪推はしてはいけないのである。

 その人がどう考えているのか、あるいはどう考えていたのかなどその人でさえ知りえないことだってある。

 考え方ほど流動的なものは無いのである。

 人間は無限に愚鈍でまた学ぶ生き物だ。

 だから、あの人はこう考えているから、自分はこう思われているから、あの人のこれは嘘だから、本当はこう思っているから、と余計なことを考えることほど愚かしいことは無いのである。


 …としかと自分に言い聞かせ、妾は創作に戻ることにするとする。

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