第10話 挨拶の儀

「王様、挨拶の儀が始まります」


「もう、そんな時間か」


執事長が扉を開けると五人の側室が

一列に並び、軽く膝を曲げ挨拶をする。

きらびやかなドレスの衣装に身を包んで

いるのは、王様の寵愛を少しでも受ける為

であった。


「皆の顔が見れて嬉しく思う。

この国や国民の為に力を尽くして欲しい」


「はい、王様」


一連の儀を終え、側室達は部屋を

後にした。


「わざわざ側室をここに呼ぶ口実を

お作りになるとは、さすがと

言うべきか」


「皇后様も焦っておられるのです。王様も

お分かりでしょう、お世継ぎが・・」


「もういい、分かっている」


プロメテウスには五人の側室がいたが

寵愛を受け子を授かった者は

一人もいない。


「母上に相談したいことがある」


「承知しました」


執事長や、女官長を呼び出し皇后がいる

部屋へと向かった。





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