第6話 燃えるような感情

「頬が腫れているようだ。ライト直ぐに

医官を呼んでくれ」


「承知しました」


見習い執事に頼んだ後、プロメテウスは

そっとリアの頬にそっと触れた。


「そなたの肌は白く美しい。この肌に傷を

つけた使用人は、私自ら罰してやる。

まさか、この私に燃えたぎるような

感情があったとはな」


前国王であるフォティアに言われた事を思い出していた。

『お前にはこの私と同じ血が流れておる。

情熱とお前の力を使いこの国と

民の為に力を尽くせ。

そうすればこの国はより一層発展

するだろう』


その言葉を残し、フォティアは息を

引き取った。

プロメテウスは悲しみ嘆き、数日間部屋から

出る事はなかった。


前国王が亡くなって一週間が経った後

正式にプロメテウスが国王となり政務を

取り仕切る事になった。父の言葉通り

国や国民の為、政務にも力を入れ財政を

安定的に保ことが出来ていたが

プロメテウスの心は何故か満たされる事は

なかった。


しかし、目の前にいる彼女を見た

瞬間からプロメテウスは変わった。

今まで感じなかった怒りや彼女に対する

愛情が燃えるように心を支配していたのだ。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る